洋楽:その曲、本当に代表曲でいいの?

どのアーティストにも、「代表曲」というものがありますね。

でも、この代表曲というのは、「このアーティストの曲ってどんな感じなのかな」というときに、便利な反面、代表曲を一曲聴いただけで、このアーティストの曲はこういうものだと決め付けてしまう危険性もあります。

そこで、アーティストの代表曲が、はたしてそのアーティストの良さを雄弁に物語っているのか、見ていきたいと思います。

典型的な代表曲とアーティストの関係、”10cc”の場合

わかりやすい「代表曲」と「アーティスト」の関係で、まず思い浮かべるのが、”10cc”の”I’m Not in Love”(アルバム”The Original Soundtrack”に収録)です。

「”I’m Not in Love”が、”10cc”の代表曲である」ということに、まず異論を唱える人はいないでしょう。

悔しいけれども、その点に関しては、私も認めざるおえないでしょう。

しかし、熱烈な”10cc”ファンの方は、「一番好きな”10ccc”の曲は?」とか、「一番”10cc”らしい曲は?」と聞かれて、この”I’m Not in Love”を選ぶ人は少ないでしょう。

>”10cc”に関する記事はこちらから

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>曲”I’m Not in Love”に関する記事はこちらから

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確かに、”I’m Not in Love”は、名曲で、美しいメロディーや、”Eric Stewart”の狂おしいほどの切ない歌声は大変魅力的だと思います。

しかし、”I’m Not in Love”だけを聴いて、”10cc”を理解したつもりになり、他の曲を聴かないのは、非常にもったいない話です。

仮に、”I’m Not in Love”を聴いて、この曲が収録されているアルバム”The Original Soundtrack”にたどり着いたとしても、”I’m Not in Love”の甘美なメロディーを期待していると、名曲の”The Second Sitting For The Last Supper”(邦題:「二度目の最後の晩餐」)や、”Life Is A Minestrone”(邦題:「人生は野菜スープ」)を聴いても素通りとなる可能性があります。

なぜなら、私に言わせると、”I’m Not in Love”は、”10cc”の代表曲ではないからです。

もちろん、”I’m Not in Love”のような珠玉のメロディー・ラインも、”10cc”の魅力であり、そのような曲も何曲もあります。

そのような曲がお好みなら、”People in Love”(アルバム”Deceptive Bends”(邦題:「愛ゆえ」にに収録)がおすすめです。

>アルバム”Deceptive Bends”に関する記事はこちらから

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つまり、”I’m Not in Love”のメロディーに魅せられた人は、アルバムを買うなら、”The Original Soundtrack”ではなく、”Deceptive Bends”を選ぶべきです。

そして、AOR路線への方向転換(レビューでこのように書かれるとほとんどのアーティストは終焉を迎えるような気がします)などと言われてあまり評判の良くないアルバム”Ten out of 10″(邦題:「ミステリー・ホテル」なども、”10cc”の卓越したメロディー・センスを味わえるはずです。

>アルバム”Ten out of 10″に関する記事はこちらから

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単純に、いい曲がいっぱい収録されているという点で、おすすめのアルバムは、”Bloody Tourist”です。

“10cc”は、”I’m Not in Love”だけのバンドだと決めつけるのは、このアルバムを聴いてからでも遅くはありません。

>アルバム”Bloody Tourist”に関する記事はこちらから

Bloody Tourists

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ただ、私が選ぶ、”10cc”の代表曲は、”Don’t Hang Up”です。

曲想が目まぐるしく変わり、一曲聴き終わるのにそれなりの覚悟が必要ですが(”Pink Floyd”の”Atom Heart Mother”(邦題は、「原子心母」)ほどではないですが)、曲が終わった瞬間、毎回「ブラボー」と叫びたくなります。

>アルバム”How Dare You”に関する記事はこちらから

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全米№1だから代表曲?

“Simple Minds”の場合

“Simple Minds”(シンプル・マインズ)の代表曲は、”Don’t You”であると主張する人がいます。

私にとって、この構図ほど、居心地の悪さを感じる組み合わせはありません。

きっと、彼らだって同じ気持ちだと思います。

なぜなら、この”Don’t You”という曲は、彼らのオリジナル・アルバムには、収録されていません。

ですが、スコットランド出身のアーティストが、全米№1を獲得するということは、大成功といえる出来事です。

ヒットすれば、それだけリスナーの耳に何度も触れることになり、「代表曲」=「大ヒット曲」という構図ができあがるのも無理のないことでしょう。

>”Simple Minds”に関する記事はこちらから

同様に、映画「プリティー・ピンク」の挿入歌である”If You Leave”が、アメリカでヒットした”OMD”も、「”If You Leave”の”OMD”」というレッテルを危うく貼られるところでした。

>”OMD”に関する記事はこちらから

もともと、”Don’t You”は、”Roxy Music”(ロキシー・ミュージック)の”Bryan Ferry”に歌ってもらおうとした曲です。

“Simple Minds”の”Jim Kerr”が歌っても、”Bryan Ferry”が歌ってもいい曲なんて、”Simple Minds”の代表曲とはなりえないと思います。

>”Roxy Music”に関する記事はこちらから

“Don’t You”の曲の良さを否定するつもりはありませんが、”Simple Minds”の魅力はあまり発揮されていないと感じます。

私が、選ぶ”Simple Minds”の代表曲は、”Someone Somewhere (In Summertime)”(アルバム”New Gold Dream”に収録)です。

夢のように美しい旋律が、聴く者をひきつけます。

>アルバム”New Gold Dream”に関する記事はこちらから

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“Supertramp”の場合

「代表曲=大ヒット曲」の典型は、”Supertramp”(スーパー・トランプ)の代表曲”Breakfast in America”(アルバムも同タイトル) と言えるでしょう。

「泳げ!たい焼きくん」のような現象が世界的に勃発したのですから、そう刻印されたとしても仕方のないことかも知れません。

「”Supertramp”=”Breakfast in America”」、もはや反論の余地はありません。

>”Supertramp”に関する記事はこちらから

>アルバム”Breakfast in America”に関する記事はこちらから

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なんなら、「”Supertramp”=”The Logical Song”」でもいいのですが、これだけは伝えておきたいです。

アルバム “Breakfast in America”は、上記の2曲に加えて”Take the Long Way Home”や、”Goodbye Stranger”もロック史上に名を残す名曲で、もうお腹いっぱいと言われるかも知れませんが、その前作のアルバム”Crime of the Century”や、その一曲目の”School”も「別腹」と言うことでぜひ、ご賞味していただきたいです。

>アルバム”Crime of the Century”に関する記事はこちらから

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