ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するアルバムは、”Diana Krall”:(ダイアナ・クラール)の”Turn Up The Quiet”です。
このアルバムは、一言でいうと「ジャズ・スタンダード・ナンバー集」です。
“Diana Krall”のジャズ・スタンダード・ナンバー集というのは、久しぶりな感じがします。
初期のアルバムに、スタンダード・ナンバーを集めた作品がいくつかありましたが、その頃の音とは幾分趣きが異なるような気がします。
アルバム”The Look of Love”あたりの重厚なフル・オーケストラほどではなく、バイオリンやチェロがほどよく使われていて、ジャズらしい楽器編成にうまく溶け込んでいます。
曲目リスト
- Like Someone in Love
- Isn’t It Romantic
- L-O-V-E
- Night and Day
- I’m Confessin'(That I Love You)
- MoonGlow
- Blue Skies
- Sway
- No Moon at All
- Dream
- I’ll See You in My Dream
久しぶりのジャズ・スタンダード・ナンバー集
1曲目の”Like Someone in Love’”:
イントロと曲の前半は、ウッド・ベースのみ演奏で始まり、途中から”Diana Krall”の軽快なピアノが加わりさらにギターと、シンプルな楽器構成でジャズらしい音です。
このアルバム”Turn Up The Quiet”は、ジャズのスタンダード・ナンバーをジャズらしいギター、ウッド・ベース、ピアノというシンプルな楽器で構成されているので、ジャズの雰囲気を純粋に楽しむことができると思います。
加えて、”Diana Krall”のジャズらしいピアノの演奏もより強く感じられるのではないでしょうか。
3曲目の”L-O-V-E”:
“L is for the Way You Look at Me” 「私を見るあなたのまなざし」 で始まり、”O is for the Only One I See” 「もうあなたしか見えないわ」 と甘~いラブ・ソングですが、”Diana Krall”の低音のしぶい歌声は、ちょっぴり甘さ控えめの大人のサウンドです。
4曲目の”Night and Day”:
ウッド・ベース、ピアノ、ドラム、ギターとここまではよくあるジャズの楽器編成ですが、このアルバムでは、それに加えてバイオリン(またはチェロ)が加わるケースが多く見られます。
ストリング系の楽器が加わることによって全体的に随分と柔らかい音に感じられます。
7曲目の”Blue Skies”:
語りかけるような歌声で静かにゆったりと始まるこの曲も、ウッド・ベースの流れるようなフレーズから一転して”Diana Krall”の軽やかなピアノの演奏にギターが重なっていきます。
ピアノやギターの各パートのソロ演奏が楽しめる一曲です。
8曲目の”Sway”:
アコースティック・ギターの前奏のあと、”Diana Krall”のささやくような歌声が続きます。
ピアノの演奏の影に隠れるようにひっそりと流れるストリングスの音が、曲の後半部分では前面にあらわれ壮大な雰囲気を醸し出しています。
9曲目の”No Moon at All”:
ピアノの前奏に続いて鳴り響きチェロの音色がもの悲しさを感じさせます。
その重苦しい雰囲気を打ち破るかのようにウッド・ベースの音が弾けると軽快なピアノの音が堰を切ったように流れ込んできます。
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