ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するアルバムは、”Halie Loren”:(ヘイリー・ロレン)の”They Oughta Write A Song”です。
アルバム”They Oughta Write a Song”:(邦題は、「青い影」)で、ベスト・ジャズ・ヴォーカル・アルバムに選ばれたお墨付きのアルバムですので、ジャズ初心者にも安心して聴ける作品です。
また、スタンダード・ナンバーも数多く収録されているので、ある程度ジャズを聴いてきたひとにとっても納得の一枚であるといえるでしょう。
<曲目リスト>
- They Oughta Write A Song
- A Whiter Shade of Pale
- Blue Skies
- Autumn Leaves
- Fever
- God Bless The Child
- My Rainbow Race
- Perhaps, Perhaps, Perhaps
- How Should I Know
- Summertime
- I Don’t Miss It That Much
- The Dock of The Bay
- As Time Goes By
- Free to Be Loved by Me
- I Still Haven’t Found What I’m Looking for
- Danger in Loving You
- Sunny Afternoon
スタンダード・ナンバーの魅力を余すところなく表現
1曲目の”They Oughta Write a Song”: まずは、表題曲からですが、このアルバムの邦題は、「青い影」で、2曲目の”A Whiter Shade of Pale”がそれにあたります。
アルバム・タイトルが、日本語盤で変えられていますが、”Procol Harum”「プロコル・ハルム」の名曲”A Whiter Shade of Pale”(青い影)の方が、日本の音楽ファンにはお馴染みの曲であるため、そのように変えたのだと思います。
しかし、”Halie Loren”自身は、こちらの”They Oughta Write a Song”への思い入れは強いのだと感じます。
ライブ・パフォーマンスでも情感たっぷりに歌い上げています。
2曲目の”A Whiter Shade of Pale”: 日本語盤での、表題曲です。
“Procol Harum”「プロコル・ハルム」のデビュー曲で、数多くのアーティストによってカバーされているので、日本の音楽ファンにとってもすっかりお馴染みの曲だと思います。
こちらの曲は、原曲よりもゆったりとしていて、前奏のピアノも落ち着いていて心地良い雰囲気を醸し出しています。
3曲目の”Blue Skies”: 軽やかなピアノの旋律に心躍るような躍動感があります。
それにもまして、”Halie Loren”の歌声は、なめらかで、弾むようなリズム感があります。
まさに、”Blue Skies”のように視界良好です。
4曲目の”Autumn Leaves”: もともとは、シャンソン界のスタンダード・ナンバーでしたが、多くのジャズ・アーティストにもカバーされています。
“Autumn Leaves”の邦題は、「枯葉」ですが、曲にこめられた意味は「若いころお互いに愛し合っていたふたりが別れ、それぞれの人生を送ったあと、再び出会った時には北風に吹かれて舞う枯葉のようであった」という内容で、人生の粋を感じさせますが、若い”Halie Loren”がこの曲を見事に歌い上げるのも、彼女のシンガーとしての実力を感じます。
8曲目の”Perhaps, Perhaps, Perhaps”: 原曲は、キューバの”Quizas, quizas, quizas”「キサス、キサス、キサス」(スペイン語)に英語の歌詞をつけたものです。
原曲よりも、テンポを良くタンゴ風にアレンジされています。
“Halie Loren”は、原曲のスペイン語でも歌っています。
シャンソンからタンゴ、フランス語からスペイン語、”Halie Loren”の多才ぶりが発揮されています。
9曲目の”How Should I Know”: とりわけジャズ色が強い曲ではありませんが、ほとんどピアノの伴奏のみのシンプルな楽器構成ですが、それだけ”Halie Loren”の美しい歌声が際立って聴こえてきます。
彼女は、ジャズだけではなく、ポップスを歌わせても十分魅力的なシンガーです。
15曲目の”I Still Haven’t Found What I’m Looking for”: 日本語版のみに収録されているボーナストラック(ライブ音源)4曲の中の1曲です。
ロック・ファンなら、この曲を聴いてニヤッとしたのではないでしょうか。
この曲は、”U2″のベーシスト”Adam Clayton”が作曲し、彼らのアルバム”Joshua Tree”に収録されている曲です。
まさか、この曲が女性ジャズ・シンガーに歌われるなど夢にも思いませんでした。
>アルバム”Joshua Tree”に関する記事はこちらから
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