ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するアルバムは、”Jane Monheit”:(ジェーン・モンハイト)の”Taking a Chance on Love”です。
“Jane Monheit”は、「スタンダード・ナンバーを歌わせたら右に出るものはいない」と言われほどの実力の持ち主です。
そして、このアルバム”Taking a Chance of Love”でも、表題曲をはじめとし数々のスタンダード・ナンバーが並びます。
アルバム最後には、あっと驚くような曲が待っています。
<曲目リスト>
- Honeysuckle Rose
- In The Still Of The Night
- Taking a Chance on Love
- Bill
- I Won’t Dance
- Too Late Now
- Why Can’t You Behave?
- Do I Love You?
- Love Me Or Leave Me
- Embraceable You
- Dancing in the Dark
- Over the Rainbow
スタンダード・ナンバーを芸術の域に高める歌唱力
1曲目の”Honeysuckle Rose”: “Jane Monheit”の歌唱力の話をしていたら、前奏から、ただならぬ超絶テクニックのウッド・ベースの演奏が始まります。
どうやら、実力者は、ボーカリストだけではないようです。
軽やかな曲調にあわせて、聞こえてくる”Jane Monheit”の歌声は、ピアノの上をコロコロと転がる玉のような心地良さをみせています。
彼女の確かな歌唱力は、軽やかなジャズ・サウンドでも十分に伝わってきます。
3曲目の”Taking a Chance on Love”: 表題曲でもあるこの曲は、1曲目の”Honeysuckle Rose”と同様に、軽快なジャズ・サウンドを楽しむことができます。
高音部分の滑らかな発声は、”Basia Trzetrzelewska”「バーシア」を彷彿させます。
5曲目の”I Won’t Dance”: “Michael Buble”とのデュエット曲です。
デュエット曲のときの彼女の歌声はいつもより、チャーミングに聞こえます。
そして、何よりも、デュエットの相手を横目で見る仕草は、最高にラブリーでセクシーです。
9曲目の”Love Me Or Leave Me”: 流れるような”Jane Monheit”の歌声に、小粋なサックスのソロがうまく調和しています。
ますます、”Basia”の歌声を連想してしまいました。
(デビュー・アルバムの”Time and Tide”に収録されていた曲”Miles Away”のような穏やかで心がうきうきするようなそんな曲です)
11曲目の”Dancing in the Dark”: “Diana Krall”も、アルバム”The Look of Love”で取り上げていましたが、同じ曲なのに、まったく印象が異なります。
どちらのバージョンも、アーティストの持ち味が色濃く出ていると思います。
スタンダード・ナンバーでも、取り上げるアーティストの表現方法によって、様々な魅力を引き出してくるところは、実に興味深いものがあります。
このあたりもジャズの魅力のひとつと言えるでしょう。
>アルバム”The Look of Love”に関する記事はこちらから
12曲目の”Over the Rainbow”: お馴染みの曲ですが、”Jane Monheit”のこのバージョンを聴いたときは衝撃的でした。
今まで聴いた”Over the Rainbow”と別次元の曲になっていました。
特に特別なアレンジとか、凝った音楽的な手法をもちいるわけでもないのに(むしろ、オリジナルの曲に正面から向き合っているような堂々の正攻法で)、震えるほどの芸術性を感じました。
伸びやかな歌声は最後の一声までぶれることなく、高速のビブラートを効かせている様は、まるでフィギア・スケートの完璧なビールマンスピンを見ているようです。
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