ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するアルバムは、”Diana Krall”:(ダイアナ・クラール)の”Stepping Outです。
低音でしっとりと歌い上げるイメージの強い”Diana Krall”ですが、本作”Stepping Out”は、小気味良いテンポで突き抜けるような爽快感が味わえるジャズらしいアルバムです。
曲目リスト
- This Can’t Be Love
- Straighten Up And Fly Right
- Between The Devil And The Deep Blue Sea
- I’m Just A Lucky So And So
- Body And Soul
- 42nd Street
- Do Nothin’ Till You Hear From Me
- Big Foot
- Frim Fram Sauce
- Jimmie
- As Long As I Live
- On The Sunny Side Of The Street
- Summertime (Bonus Track)
小気味よいテンポのジャズらしいアルバム
2曲目の”Straighten Up And Fly Right”:
“Nat King Col”(ナット・キング・コール)のカバー曲で、アルバム・バージョンは、原曲よりもややゆったりと歌われているのに対し、ライブ・バージョンよりもさらにアップ・テンポで、そのギャップが興味深いと感じます。
それでも、はっきり言えることは、どちらも”Diana Krall”らしい解釈で、ピアノの演奏も彼女特有の感性が表現されているということです。
3曲目の”Between The Devil And The Deep Blue Sea”:
曲のタイトルがとてもユニークです。
直訳すると「悪魔と青い海の間」ですが、”Devil”というのは、悪魔という意味の他に、船の「竜骨翼板」という意味があるようです。
船と海の間のすれすれの部分ということで、「進退窮まって」とか「絶体絶命」の意味があるそうです。
そんな意味とは、無縁のような明るくさっそうとした印象の曲です。
7曲目の”Do Nothin’ Till You Hear From Me”:
もともとは、”Duke Ellington”(デューク・エリントン)が、トランペット奏者のために作曲したインストメンタル・ナンバーでしたが、あとから歌詞をつけた曲です。
そのときに今の曲名”Do Nothin Till You Hear From Me”に変えられたようです。
それにしても、「(僕が他の女性と歩いているのを見たからといって)僕から直接聞くまでは、君は何もしてはいけないよ」なんて、浮気の言い訳をしているプレイボーイみたいです。
9曲目の”Frim Fram Sauce”:
アルバム”All for You”にも収録されている曲ですが、本作の”Stepping Out”に収録されているのものとは、別テイクのようです。
“All for You”のテイクは、ストレートな表現ですが、”Stepping Out”の方は、”Diana Krall”の歌声にも、ピアノの演奏にもためがあり味のある音になっているように思えます。
12曲目の”On the Sunny Side of the Street”:
アルバム・バージョンでは、アルバム全体の雰囲気に合わせて、軽やかな曲調で曲が流れていきます。
“Diana Krall”のピアノの演奏も踊るように躍動しています。
同じ曲でも、ライブ・バージョンでは、ゆったりとしたテンポで演奏されています。
アルバム・バージョンにはないバイオリンのソロ演奏が加えられています。
その音色がよりいっそう、心地よい雰囲気をつくりだしています。
13曲目の”Summertime”:
“Remastered”版にのみ収録されている曲ですが、軽快なジャズ・サウンドのアルバム全体のイメージにもそった良い選曲だと思います。
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