【洋楽】おすすめアルバム~”Quiet Nights”: “Diana Krall”(ダイアナ・クラール)

ジャズ入門

ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。

今回、ご紹介するアルバムは、”Diana Krall”:(ダイアナ・クラール)の”Quiet Nights”です。

アルバムのタイトルは、収録曲の一曲から付けられたものですが、アルバムの全体の印象は、まさに”Quiet Nights”のごとく、静かに夜、リラックスして聴くのにぴったりの内容のものです。

楽器の構成は、オーケストラをバックに、”Diana Krall”のピアノの演奏も楽しめるというアルバム”The Look of Love”と同じような形ですが、”The Look of Love”がドレス・アップして聴くようなイメージがありましたが、この”Quiet Nights”は、ゆったりとした部屋着で、ソファーでくつろぎながら聴く心地良さがあります。

<曲目リスト>

  1. Where or When
  2. Too Marvelous For Words
  3. I’ve Grown Accustomed To Your Face
  4. The Boy From Ipanema
  5. Walk On By
  6. You’re My Thrill
  7. Este Seu Olhar
  8. So Nice
  9. Quiet Nights
  10. Guess I’ll Hang My Tears Out To Dry
  11. How Can You Mend A Broken Heart
  12. Everytime We Say Goodbye

“Diana Krall”は、つくづくピアニストだと再認識する一枚

1曲目の”Where or When”: オーケストラの演奏で始まりますが、”The Look of Love”のような厳かな雰囲気ではなく、もっと肩の力を抜いた感じのリラックスした様子が伺えます。

それは、”Diana Krall”のピアノのソロ演奏にも感じられます。

ピアノの音もソロだからといって、強く主張するものではなく、控えめで、さりげない音色です。

2曲目の”Too Marvelous For Words”: この曲も、オーケストラの演奏の合間に、”Diana Krall”のピアノのソロを聴くことができます。

けして華やかでも、技工的でもありませんが、最後の一音まで細やかに心に染みます。

つくづく”Diana Krall”は、ジャズ・シンガーであるとともに、ピアニストであるのだと再認識させられます。

4曲目の”The Boy From Ipanema”: 原題”Garota de Ipanema”(ポルトガル語で「イパネマの娘」、英語では、”The Girl from Ipanema”)というこの曲は、数多くのアーティストが取り上げているボサノバのスタンダード・ナンバーですが、軽やかに甘い歌声で歌われることが多いと思います。

一方で、”Diana Krall”のバージョンは、彼女の歌声がもともと低音であることからも重量級のものとなっています。

この曲に限ったことではありませんが、口当たりの良い甘い歌声を求めていろいろなジャズ・シンガーの曲を聴いていると、急に、”Diana Krall”の本物の歌声が恋しくなることがあります。

5曲目の”Walk on By”: アルバム”The Look of Love”に収録されていた表題曲の”The Look of Love”と同様、偉大なる作曲家”Burt Bacharach”の作品です。

この曲”Walk on By”のカバーは、”Diana Krall”の最高傑作であると思いますし、”Diana Krall”の作品の中で私が一番好きな曲です。

“Burt Bacharach”の卓越した作曲能力が生み出す珠玉のメロディーと、”Diana Krall”の魅惑の歌声が絶妙な化学反応を起こしています。

8曲目の”So Nice”: 印象的なピアノのフレーズは、誰もがワクワクするような高揚感を覚えることでしょう。

“Diana Krall”の奏でるピアノの音色は、コロコロと玉が転がるように心地良く響きます。

これだけのピアノの演奏と魅惑の歌声を聴かせてくるのですから聴衆が釘付けになるのも無理からぬことでしょう。

9曲目の”Quiet Nights”: 表題曲であるこの曲”Quiet Nights”は、アルバム全体の印象を決定付ける曲です。

この曲の”Diana Krall”のピアノソロ部分は、心地良さとともに、妖艶さも併せ持つ大人の色気を感じます。
しかも、軽々とプレイしている様子は、ピアニストとしても一流であることを改めて感じさせます。

11曲目の”How Can You Mend A Broken Heart”: ここからの2曲は、日本版のみのボーナス・トラックですが、単なるおまけ以上の価値があります。

この”How Can You Mend A Broken Heart”では、純粋に、”Diana Krall”のピアノの演奏が、曲の冒頭から聴けます。

そして、曲の途中から、ストリングも加わり豊かな曲想を紬上げていきます。

12曲目の”Every Time We Say Goodbye”: あの”Simply Red”の”Mick Hucknall”が歌ったことで、ロック・ファンの間でも馴染みのある曲かも知れません。

美しい曲ですが、歌唱力の優劣が如実に出る曲なので、並の実力のシンガーは手を出さない曲だと思います。

>”Simply Red”に関する記事はこちらから

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