ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。
今回、ご紹介するアルバムは、”Norah Jones”:(ノラ・ジョーンズ)の”Little Broken Hearts”です。
前作のアルバム”The Fall”でロック・ミュージックも披露し、音楽のジャンルの垣根をやすやすと乗り越えていく”Norah Jones”ですが、本作のアルバム”Little Broken Hearts”では、アルバム・ジャケットにもあるようにポップな内容になっています。
しかし、才能豊かな”Norah Jones”のことですから、彼女ならではの音楽スタイルで、その表現方法も多彩で色彩豊かな曲が展開されていきます。
曲目リスト
- Good Morning
- Say Goodbye
- Little Broken Hearts
- She’s 22
- Take It Back
- After The Fall
- 4 Broken Hearts
- Travelin’ On
- Out On The Road
- Happy Pills
- Miriam
- All A Dream
多様な表現方法でポップな世界を彩る
1曲目の”Good Morning”:
今までの”Norah Jones”にはなかった幻想的な曲です。
デビュー当時、ジャズの弾き語りという音楽的手法で人気を博してきた”Norah Jones”ですが、これまでにカントリー・ミュージックやロック・ミュージックと様々な音楽ジャンルに挑戦してきました。
本作のアルバム”Little Broken Hearts”では、音楽のジャンルの多様性というよりも、音楽の表現方法の多様性を感じます。
そのひとつの表現方法が、この幻想的な”Good Mornig”であると思います。
2曲目の”Say Goodbye”:
キーボードを弾きながら歌っていますが、もはやデビュー当時の弾き語りのイメージとはまったく異なります。
ロック調のアップ・テンポのナンバーです。
3曲目の”Little Broken Hearts”:
アルバムの表題曲であるにも関わらず、というか、表題曲であるからこそ「ダーク」な曲です。
なぜなら、”Norah Jones”自身の言葉を借りるならば、この”Little Broken Hearts”というアルバム全体がダークだということです。
この曲”Little Broken Hearts”の歌詞自体も相当にダークです。
もうひとつ”Norah Jones”は、このアルバムのコンセプトについてこう語っていました。
「アルバムひとつひとつの曲が大きなストーリーを構成する断片みたいなもの」
道理で、一曲一曲が際立って、いろいろな表情を見せているのだと感じました。
10曲目の”Happy Pills”:
前作のアルバム”The Fall”のように、ロック路線の流れをくむ曲です。
ピアノ弾き語りのイメージが強い”Norah Jones”ですが、この曲の主役はギターです。
曲の出だしの刻みギターは一瞬、”Blur”の”Beetlebum”が始まったのかと思いました。
11曲目の”Miriam”:
美しい曲であるのは間違いありませんが、それだけでは表現できないミステリアスなものを感じます。
“Norah Jones”自身が、語っていた「ダーク」なものを最も感じる曲ではないでしょうか。
それは、PVの映像の結末だけによるものだけではないでしょう。
12曲目の”All A Dream”:
アルバムのオープニング・ナンバーの”Good Morning”とこのラスト・ナンバーの”All A Dream”が呼応するかのようです。
どちらも、幻想的な雰囲気は共通点ですが、”Good Morning”は、目覚め(覚醒)を、”All A Dream”は眠りにつく(幻想)という意味で対照的で、アルバムに散りばめらた断片ともいえる曲が、ここでつながっていくように思えます。
それは、「統一感」というこじんまりとしたものでは収まり切れない、”Norah Jones”のほとばしる才能の集合体です。
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