【洋楽】おすすめアルバム~”Essentials Ⅱ”: “Karen Souza”(カレン・ソウサ)

ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストとそのアルバムをご紹介したいと思います。

今回、ご紹介するアルバムは、”Karen Souza”:(カレン・ソウサ)の”Essentials Ⅱ”です。

以前、ご紹介した”Karen Souza”のアルバム”Essentials”の続編です。

ロックの名曲を、ボサノバ風にアレンジしたカバー曲集は、とても新鮮でしたが、その試みは見事にあたり、彼女を一躍有名にしました。

前回の”Essentials”は、誰もが知っているロックの大ヒット・ナンバーのカバーでしたから、ロックのボサノバ風アレンジの入門編といえるような内容でした。

また、時代もロックの最も輝いていた頃の80年代のアーティストの作品が主なものでした。

しかし、今回のカバー集は、どこで探してきたのかと思われる時代もまちまちの隠れた名曲を選りすぐっての作品集となりました。

こんなに良い曲があったのかと再認識させられる”Karen Souza”の名曲掘り起こし作品集ともいえる好カバーです。

斬新なカバーの出来映えと同時に原曲の良さも味わってみてください。

<曲目リスト>

  1. The Way It Is
  2. Wicked Game
  3. Everyday Is Like Sunday
  4. Dreams
  5. Think for a Minute
  6. Skin Trade
  7. Can’t Help Falling in Love
  8. Everybody Hurts
  9. Never Tear Us Apart
  10. Twist in My Sobriety
  11. The Sound of Violence
  12. Shape of My Heart

ロックの名曲 ボサノバ風アレンジの上級編

1曲目の”The Way It Is”: 原曲は、公民権運動と根強い人種差別をテーマにした”Bruce Hornsby”:「ブルース・ホーンズビー」の作品です。

ピアノの前奏とそれに続く躍動するパーカションがたまらなくカッコ良い曲ですが、”Karen Souza”は躍動的なイメージはあっさりと切り捨てて自身の世界に引き込んでいきます。

2曲目の”Wicked Game”: 原曲は、アメリカのシンガー・ソング・ライターの”Chris Isaak”:「クリス・アイザック」の作品です。

哀愁漂うギター・サウンドが、お洒落なピアノとコンガの演奏に生まれ変わっています。

“Karen Souza”の気だるい歌声が、メランコリックな曲調と妙に合っています。


3曲目の”Everyday Is Like Sunday”: 原曲は、”The Smiths”:「スミス」のボーカリストとして活躍した”Morrissey”の作品です。

「毎日が日曜日みたいで楽しいな~」という脳天気な曲ではないようです。

何の面白みもない退屈な日常を呪った曲で、「いっそ核爆弾でも落としてくれよ」という歌詞は、現代の北朝鮮の不穏な動きを連想させます。

何の変哲もない日常の方がよっぽど救われます。

“Karen Souza”のバージョンは、原曲よりもさらに鬱屈しています。

しかし、ストリングが奏でるメロディーは、すこぶる美しいです。

4曲目の”Dreams”: 原曲は、”Fleetwood Mac”:「フリートウッド・マック」の”Stevie Nicks”(スティーブ・ニックス)の作品で、アルバム”Rumours”に収録されていました。

この曲の持つメロディーは、とても優美で、アイルランド出身の”The Corrs”:「コアーズ」の3姉妹がとりわけ美しいハーモニーを醸し出していました。

>”The Corrs”に関する記事はこちらから

7曲目の”Can’t Help Falling In Love”: なんと、”Elvis Presley”:「エルビス・プレスリー」の歌まで飛び出してきました。

それにしても、”Karen Souza”は、音楽のジャンルの引き出しが多いですね。

しかも、自分の音楽の世界に巻き込んでしまうのは見事です。

8曲目の”Everybody Hurts”: 原曲は、アメリカのロック・バンド”R.E.M”の作品です。

奇しくも、この曲は、前述の”The Corrs”が、カバーしていて、”MTV Unpluged”というアコースティック・サウンドのライブ・アルバムに収録されています。

意外と、”Karen Souza”と”The Corrs”の音楽の趣向に共通点があるのかも知れません。

9曲目の”Never Tear Us Apart”: 原曲は、オーストラリアのロック・バンド”INXS”の作品です。

この曲などは、原曲の曲調をほぼ忠実に再現しているような気がします。

オーストラリアのロックとボサノバとこんなにも相性がいいとは正直驚きです。

曲の後半部分の、”I I was Standing”の、”I”を重ねるところの”Karen Souza”の歌声は、とてつもなく色っぽいですね。

10曲目の”Twist In My Sobriety”: 原曲は、ドイツ生まれでイギリスのシンガー・ソング・ライターの”Tanita Tikara”:「タニタ・ティカラム」の作品です。

“Tanita Tikara”の歌声は、ちょっとハスキーではありますが、このアルバムの原曲のシンガーの中で最も”Karen Souza”に近いように思えます。

だからといって、”Karen Souza”は、ただ原曲をなぞっているわけではなく、彼女の音楽観に昇華しています。

単なるボサノバ風アレンジではなく”Karen”ワールドへの昇華

ロックの名曲をボサノバ風のアレンジでカバーしたという同一のコンセプトで作られた”Essentials”と”Essentials Ⅱ”という2枚のアルバムですが、前作の”Essentials”が、「音楽ファンなら誰でも知っている名曲をボサノバ風にアレンジするとこんな感じになります。」といった趣向に注目が集まったものでしたが、本作の”Essentials Ⅱ”は、かつての名曲を、”Karen Souza”という音楽観のもとに再現して、別の名曲に仕立て上げたという感があります。

だから選曲も誰もが知っている曲という観点ではなく、”Karen Souza”が歌うことで、より多くの魅力を引き出せる曲という視点で選ばれているように思えます。

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