音楽の幅をもう少し広げてみたいと思っているロックファンの方は多いのではないでしょうか。
しかし、多くのロックファンにとって、ジャズはちょっと敷居が高いと感じている方も多いと思います。
そもそも、何から聴いていいかわからないという方もいることでしょう。
以前の私もそうでした。
これから、ロック・ファンのみなさまに、ロック・ファンの目線でジャズの魅力とおすすめのアーティストをご紹介したいと思います。
第一弾は、”Diana Krall”(ダイアナ・クラール)です。
カナダ出身のジャズ・ピアニストであり、ジャズ・ボーカリストです。
夫はあの有名な”Elvis Costello”:(エルヴィス・コステロ)です。
彼女の歌声の特徴は、ちょっと外見からは想像できない低い声ということです。
最初に、彼女の歌声を聴いたときは、アルバム・ジャケット”The Look Of Love”のイメージとのギャップに戸惑いましたが(ブロンドの髪をなびかせながらソファーに腰掛けている姿に勝手に妄想をふくらませていただけですが・・・)、次第に、彼女の歌声とそのイメージは完全に一致していくようになりました。
いろいろと女性ジャズ・ボーカリストの歌声を聴いているうちに、あまたいる可愛らしい歌声や甘ったる歌声に辟易してくる頃には、この”Diana Krall”の落ち着いた歌声に戻ってくるような気がします。
おすすめの一枚 “The Look Of Love”
数ある彼女のアルバムの中から、おすすめの一枚は、”The Look Of Love”です。
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このアルバムの表題曲の”The Look Of Love”に、彼女の魅力が凝縮されています。
しっとりとしたピアノの前奏から、彼女独特の低音で少しハスキーで艶っぽい歌声が聴け、実に味わい深い世界を創りだしています。
大人の女性の魅力がたっぷりの一曲です。
このアルバムには、ジャズのスタンダード “Cry Me A River”や、ロック・ミュージックとしてもスタンダードとなっている”Besame Mucho”などが収録されていて、名曲の数々が、”Diana Krall”の美しいピアノの演奏と彼女の歌声に彩られて充実した作品となっています。
このアルバムに収録されている曲が何曲か、ライブ版のCD、DVDで聴くことができます。
こちらも、素晴らしい演奏ですので、ぜひ聴いて欲しいと思います。
>アルバム”The Look of Love”に関する記事はこちらから
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“Diana Krall” ディスコグラフィー
“Stepping Out”
初期の”Diana Krall”は、実にジャズらしい演奏をしていました。
このアルバム”Stepping Out”も、小気味よいテンポで軽快でジャズらしい曲が多く収録されています。
後のアルバム”All For You”にも収録されている”Frim Fram Sauce”を聴いてみると、アルバム”Stepping Out”のバージョンと、アルバム”The Look of Love”が発表されたライブ演奏とでは、随分と曲調がかわっているのがわかります。
<アルバム”Stepping Out”のバージョン>
<アルバム”The Look of Love”発表後のライブ・バージョン>
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“All For You”
次作の”Love Scenes”とこの”All For You”の初期の2作品は、楽器の編成が、ピアノ、ギター、ベースと比較的シンプルで、私がイメージするジャズの音にもっとも近い作品群です。
ジャズと言えば、ベース・ギターもウッド・ベースで、パーカッションやピアノといった電子楽器をあまり使わないイメージがありますが、意外とギターは、アコースティック・ギターではなくエレキ・ギターを多用しているケースが多いようです。
(ジャズ通には、常識的なことかも知れませんが・・・)
アコースティックに回帰しているロックとは、対象的で興味深いです。
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“Love Scenes”
この”Love Scenes”でも、前作の”All For You”と同様に、ピアノ、ギター、ベースのシンプルな楽器編成で、ジャズらしい音を奏でています。
このアルバムの収録曲の”I Don’t Enough about You”ですが、アルバム・バージョンは、ピアノ、ギター、ベースのオーソドックスな楽器編成ですが、後のライブでは、ドラムも加わり、”Diana Krall”のピアノの演奏もより自由奔放にプレイしています。
後のアルバムの”The Girk in The Other Room”あたりの演奏スタイルに近い感じがします。
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“When I Look in Your Eyes”
このアルバムから、楽器編成もオーケストラも加わりよりゴージャスなものに、なってきます。
ただ、ジャズらしい演奏スタイルが中心で、そこにオーケストラのサウンドが花を添えるように、主体はあくまでも、”Diana krall”を中心としたピアノ、ギター、ベースの楽器編成です。
スイングするジャズらしい音とオーケストラの重厚な音を同時に楽しめます。
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“Quiet Nights”
“Diana Krall”のアルバムの代表格と言えば、前述の”The Look Of Love”となるのかも知れませんが、個人的に一番好きなアルバムは、”Quiet Nights”です。
アルバム・タイトル通り、一人静かに夜に聴くのに相応しい上質な曲が揃っています。
なかでも、一番のお気に入りの曲は、この”Walk on By”です。
他にも、”Simply Red”の”Mick Hucknall”が、歌って、ロック・ファンにもお馴染みの”Every Time We Say Goodbye”も収録されています。
“Mick Hucknall”や、”Diana Krall”のように、優れた歌唱力の持ち主が歌うと、楽曲の良さがさらに際立ってくるような曲です。
>アルバム”Quiet Nights”に関する記事はこちらから
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“Girl in The Other Room”
“The Look Of Love”や”When I Look In Your Eyes”など、オーケストラを従えたゴージャスなアルバムも魅力的ですが、この”Girl in The Other Room”は、シンプルな楽器編成のジャズらしいアルバムになっています。
“The Look Of Love”のような凛とした雰囲気ではなく、演奏を楽しんでいるようなリラックスした雰囲気が伝わってきます。
夜の酒場が似合いそうな、ちょっと怪しげで、喧騒とした中にも艶やかな雰囲気に包まれているそんな一曲がこの”Temptation”です。
歌詞中の”I Can’t Resist”というのが、艶やかさをいっそう深めているような気がします。
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“Turn Up The Quiet”
意外と今まであまり出してこなかった「ジャズ・スタンダード・ナンバー集」です。
ギター、ピアノ、ウッド・ベース、ドラムとジャズらしいシンプルな楽器構成に加えてバイオリンやチェロなどのストリングスの音が全体的に柔らかい音を作り出しているとともに洗練された音にしあがっています。
ジャズ・スタンダード・ナンバーの”L-O-V-E”、”Blue Skies”、”Sway”などおなじみの曲が満載です。
>アルバム”Turn Up The Quiet”に関する記事はこちらから
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クリスマス特集
“Diana Krall”は、他のジャズ・シンガーと同様、クリスマス用のアルバムを出しています。
その名もずばり”Christmas Songs”。
クリスマス・シーズンは、勿論、オール・シーズンでも、聴ける上質なジャズ・ミュージックが満載の作品です。
しっとりとした大人のクリスマス・イブのお伴に最適のアルバムです。
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ポップス・カバー・アルバム
少し変わったところで、ロックやポップスのカバー・アルバムの”Wall Flower”というアルバムがあります。
アルバム・タイトルの”Wall Flower”は、パーティー会場で、話の輪に加わることができない内気な女性が部屋の壁に飾られた花と化している姿を比喩した言葉ですが、その美貌と才能でたちまち人を魅了してしまう”Daina Krall”からは意外な言葉のように思えます。
アルバムに収録されている曲を眺めてみると、その選曲の幅がとても興味深いですね。
まず、目を引いたのが、”10cc”の名曲”I’m Not in Love”です。
原曲の素晴らしさもさることながら、これほどピアノの弾き語りで歌われると美しい作品であることを再認識させられます。
そして、”The Mamas & the Papas”:(ママス&パパス)が歌って大ヒットした”California Dreamin'”:(夢のカリフォルニア)、”Diana Krall”の音楽観で、まったく別の曲のような仕上がりを見せています。
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