“Queen”のドキュメンタリー映画”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”を再び観てきました。
前回観に行ったときは、8グループほどしかいませんでしたが、大勢のお客さんが観に来ていました。
評判が評判を呼んで、映画ファンでなくても、”Queen”ファンでなくても、大勢のひとが映画館に足を運ぶようになったのでしょう。
映画をもっと楽しむための最強の教材!
今回は、映画鑑賞後に、3枚のCDを購入して、予習・復習を念入りにした上で、映画にのぞみました。
まずは、映画のサウンド・トラック版のその名も”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”です。
このCDを購入していなかったら、映画の開演を告げるファンファーレが、”Brian May”(ブライアン・メイ)のギターと、”Roger Taylor”(ロジャー・テイラー)のドラムによるものだということも気がつかないままだったことでしょう。
そして、”Queen”の前身のバンド”Smile”の曲”Doing All Right”で、脱退したボーカリスト”Tim Staffell”(ティム・スタッフェル)が、このアルバムの制作にあたってボーカルを担当していることも知らないままでした。
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そして、2つめの教材は、映画のタイトルとなった”Bohemian Rhapsody”が、収録されているアルバム”A Night at the Opera”(邦題「オペラ座の夜」です。
映画でも重要な場面である「6分を超える長い曲などラジオで流してくれない」とレコード会社と対立したいわくつきの曲”Bohemian Rhapsody”をもっとよく知るには、アルバム全体をよく聴いておく必要があると思ったからです。
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実を言うと、私は、リアルタイムで、”Queen”の曲を聞いてきた世代ですが、今まで、”Queen”のアルバムを購入したことも、アルバムを通しで聴いたこともありませんでした。
それでも、映画で流れていた曲は、ほとんどが聞いたことのある曲でした。
“Queen”の曲は、放っておいても耳に入ってくる曲ばかりです。
ですので、真剣に聴き入ってはいませんでした。
と言うよりも、むしろ毛嫌いしていました。
私は、ヘビー・メタル系のハード・ロックはあまり好きではありません。
当初、”Queen”が、日本で紹介されたとき、同時代のアメリカのロック・バンド”KISS”とセットで紹介されていたという印象があります。
日本でのタイトルが、”Keep Yourself Alive”が、「炎のロックン・ロール」など、アレルギー反応を起こすようなタイトルがつけられていました。
最悪なのが、”Another One Bites the Dust”の「地獄へ道づれ」でした。
あれほど、洗練された楽曲に、まだ「地獄」などの仰々しい表現をするのかと辟易しました。
しかし、日本のレコード業界がどのような売り込みをしようと、”Queen” の高い音楽性に気がつかない私が未熟でした。
彼らの3枚めのアルバム”Sheer Heart Attack”に収録されている”Killer Queen”あたりで気がつくべきでした。
さて、アルバム”A Night at the Opera”の話にもどりましょう。
本番に備えて、このアルバムを何回も聞き込みました。
最初は、”Bohemian Rhapsody”だけが、際立って耳に残りました。
何度も聴くうちに、ポップな”You’re My Best Friend”と、甘美な曲である”Love of My Life”が飛び込んできました。
そして、今では、”Bohemian Rhapsody”を単一の曲ではなくアルバム全体で味わえるようになりました。
「6分を超える長い曲」どころか、45分の組曲としても、きっと聴衆を飽きさせることはないでしょう。
そして、最後の教材は、伝説のライブ”ライブ・エイド”の映画のシーン4曲のうち2曲が収録されているアルバム”Works”です。
“Queen”のアルバムでは、他のアルバムと比べてあまり話題性に欠ける存在かも知れませんが、私はこのアルバムがとても気に入りました。
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ただ単に、お気に入り”Radio Ga Ga”が入っているという理由で購入しました。
ライブ・エイドの演奏の時の”Radio Ga Ga”がとてもよく、ぜひアルバム・オリジナル・バージョンを聴いてみたいと思ったのです。
このアルバムに収録されている”Radio Ga Ga”、”I Want to Break Free”、”It’s A Hard Life”、”Hammer to Fall”は、いずれも楽曲の質が高いと思いました。
しかし、映画で観たライブ・エイドの演奏は、アルバムのオリジナル版を超えていました。
概して、ライブ演奏というのは、スタジオ録音に比べて音の厚み(音の大きさではなく)が薄くなりがちですが、”Queen”の演奏は、その点があまり感じられず、ライブ演奏の長所というべき迫力が加わっているような気がしました。
2回目は泣きませんでしたが、勉強になりました!
入念な準備をして、本番に臨みました。
「20世紀フォックス・ファンファーレ」聴き逃しませんでした。
1回目に観たときは、ストーリーの展開に集中するあまり、曲の印象があまり鮮明ではありませんでした。
もう、サウンド・トラックのCDの曲順が頭に刷り込まれているので、冒頭の”Somebody to Love”から曲への集中力は全開です。
“Smile”の演奏している”Doing All Right”も今ではすっかりお馴染みの曲です。
“Freddie Mercury”「フレディ・マーキュリー」が、”Smile”のメンバーとして初めてステージに立った時に歌われた曲”Keep Yourself Alive”も、心の中で一緒に熱唱していました。
2回目で、ストーリーを追わなくてもいい解放感が、映画”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”を耳で味わい尽くします。
すると不思議なことに、最初に観たときに気がつかなかった登場人物のセリフがひとつひとつ浮き彫りになってきました。
そして、最後のライブ・エイドのシーンでは、前回観たときは、体が震えるほどの感動をおぼえましたが、今回は、涙がでることはありませんでした。
2回目に映画を観るまでは、車の中で、サウンド・トラック版のCDを聴いては、”Bohemian Rhapsody”のピアノの前奏部分ですでに半泣きになっていたパブロフの犬も、本番では、いたって冷静でした。
気がついたら、映画というよりも、”Queen”のライブ演奏を本気で楽しんでいる自分がいました。
とにかく、今まで、聴かず嫌いだった”Queen”の音楽の素晴らしさをこれから味わいつくせる喜びを与えてくれたこの映画”Bohemian Rhapsody(ボヘミアン・ラプソディ)”に感謝したいです。
次は、”Killer Queen”をアルバム全体で聴いてみようと思います。