迷ったらこの1枚「おすすめのアルバム」は、”Into the Gap” です。
「・・・らしさ」って何?
彼らの最高傑作”Hold Me Now”が収録されているのがおすすめの理由ですが、他にも、”Sister of Mercy”、”Take Me Up”など軽快で”Thompson Twins”らしい曲が並んでいます。
この「らしい」というのが重要で、”Thompson Twins”は、その後も、”Lay Your Hands on Me”、”King for a Day”(以下、アルバム”Here’s to Future Days”収録)、”Get that Love”、”Follow Your Heart”(以下、アルバム”Close to the Bone”収録)など、一流のポップセンスに裏打ちされた心地良いサウンドを世に送り出していますが、”Lies”(アルバム”Quick Step & Side Kick”に収録)を最初に聞いたときの衝撃は薄らいでいるような気がします。
>アルバム”Quick Step & Side Kick”に関する記事はこちらから
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ただ、この「らしさ」というのは曲者で、人によって「どの部分」を言うのかは意見が分かれるところでしょう。
私にとって、”Thompson Twins”の最大の魅力は、その独特のリズムです。
パーカッションがこのバンドの重要な役割を果たしていると思います。
だからと言って、過去の成功体験をいつまでも引きずっているのは、停滞を意味するし、”New Order”が、アルバム”Republic”の”Liar”という曲の中で、歌っているように”Cause I can’t Stand the Music Always stopping”アーティストにとっても「いつまでも停滞しているような音楽にはうんざり」なのでしょう。
楽曲の質の向上が著しい”Here’s to Future Days”
アルバム”Into The Gap”を境に、”Thompson Twins”の音楽に変化が見られます。
アルバム”Here’s to Future Days”以後、木琴を中心とした”Thompson Twins”の中核をなす楽器の使用は次第に控えめになってきます。
しかし、このアルバム”Here’s to Future Days”での楽曲の進歩には著しいものがあります。
影を潜めたとは言え、”Thompson Twins”のリズムを織りなす木琴はアクセント程度には随所に見え隠れします。
楽曲の素晴らしさを、隠し味のスパイスの様なリズムが後押ししてくれています。
>アルバム”Here’s to Future Days”に関する記事はこちらから
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楽曲の質が最高潮に達した”Close to the Bone”
前作のアルバム”Here’s to Future Days”で、これまで独特のリズムが印象的だった”Thompson Twins”の音楽に変化が見られました。
リズムを全面に強調しなくなった分、楽曲自体の魅力をアピールするようになってきました。
このアルバム”Close to the Bone”も、その傾向は一段と強まり、シングル・カットされた”Get That Love”なども、楽曲の素晴らしさは頂点に達していると思います。
>アルバム”Close to the Bone”に関する記事はこちらから
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本当はシャイなの?
さて、アルバム”Into the Gap”に話を戻しますと、”Hold Me Now”は、メロディーも素晴らしいですが、歌詞もいいですね。
リズム・バンドなのに泣けますね。
切なさを感じます。
ボーカルでソングライティングも手掛ける”Tom Bailey”は、髪型も服装もファッショナブルですけど、”Hold Me Now”中の言葉を借りるならば、”You Ask If I Love You”と恋人に訊かれても、”What can I say”と返事に窮するような、とても繊細な人だと思います。
そして、”Sister of Mercy”、私自身この曲が一番”Thompson Twins”らしい曲だと思っていますし、一番のお気に入りです。
“Tom bailey”の私生活でもパートナーであった(結婚し、解散後に離婚している)”Alannah Currie”が、木琴(”Xylophone”というとカッコいいですけど・・・)を演奏しています。
>アルバム”Into the Gap”に関する記事はこちらから
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木琴にスポットライト
ロックバンドで木琴を演奏している光景を他に見たことがありません。
でも、この木琴が、この曲の大事なアクセントになっていますし、”Thompson Twins”の楽曲に大変マッチしています。
今でも、小学校で木琴を習わせているのなら、教材に”Sister of Mercy”を是非使ってほしいと思います。
きっと木琴は、もっとリスペクトされる楽器になるでしょう。