迷ったらこの1枚「おすすめのアルバム」は、”Misplaced Ideals” です。
食わず嫌い?
アルバム・ジャケットは、気色悪いのに、以外と中味は素晴らしいアルバムってありますよね。
“King Crimson”の”In the Court of the Crimson King”などは、その代表的な例ではないでしょうか。
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In the Court of the Crimson King: 40th Anniversary Series 新品価格 |
“Sad Cafe”の”Misplaced Ideals”が発表された当時、LPジャケットの帯には、「決してひとりではみないでください」の文字が付してありました。
そして、CDとなった今でも、くり抜き覆面カバー付の”Led Zeppelin”の”In Through the Out Door”(発売当時、アルバムデザインが4種類あって、何がでるのかは、お楽しみというコンセプトのアルバムジャケットでした)状態で販売されています。
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このアルバムの前作(ファースト・アルバム)の”Fanx Ta-Ra”が、半裸のきれいなお姉さんが、鏡越しに、出て行く恋人を涙目で見つめているのとは、対照的です。
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中味は美味しい
さて、肝心のアルバムの中味です。
1曲目の”Restless”は、重厚なギターで始まる緊張感のある曲です。
2曲目の、”Send in the Clowns”は、サックスの音が冴えたエネルギッシュな曲で、ボーカルの”Paul Young” の小気味よいシャウトが曲全体の雰囲気を盛り上げています。
一転して、3曲目の”Run Home Girl”は、メロディーラインの美しい曲で、”Fanx Ta-Ra”収録曲の”Black Rose”と並ぶソングライティングの才能を感じさせます。
そして、最後の”On with the Show”で、そのショーの幕を閉じますが、”Paul Young”の歌唱力もさることながら、各パートの演奏技術は確かなものですね。
多くは、スタジオミュージシャンとして活躍した実績があり、他のバンドのレコーディングにも参加しています。
“Paul Burgess”(ドラム) は、”10cc”の”Deceptive Bends”他 に、”Vic Emerson”(キーボード) は、同じく”10cc”の”Ten out of 10″のレコーディングに参加し、ツアーにも帯同しました。
>アルバム”Misplaced Ideals”に関する記事はこちらから
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別人に注意!
ボーカルの”Paul Young”というと、”Hall & Oates”の”Everytime You Go Away”をカバーした実力派シンガーを思い浮かべる人も多いかと思いますが、こちらの”Paul Young”は、”Sad Cafe”の”Paul Young”と別人です。
当時の、ライナーノーツにも、あの”Sad Cafe”の”Paul Young”と書いてあったものもあったぐらいですから、勘違いした人もいたかもしれません。
ただ、どちらの”Paul Young”も歌がうまいなと思います。
特に、”Sad Cafe”じゃない方(ややっこしいですね。)は、当時若いのにこんなにうまいやつがいるんだなと感心しました。
“10cc” の “Eric Stewart” プロデュース
“Sad Cafe”のアルバムというと、”10cc”の”Eric Stewart”がプロデュースしたということで、話題性のある3枚目”Facades”以降が、どうしても注目されがちですが、まだ荒削りなところはあるにしても、それを補うにあまりあるバワーと独創性があったと感じます。
“Eric Stewart”によって洗練された分、その点が影を潜めたのは残念に思います。
ただ、アルバム”Ole”収録曲の、”Misunderstanding”と”L.A.”には目を見張るものがあります。
メロディーラインの美しさは健在です。
そう言えば、”10cc”の”Bloody Tourist”も、この”Misplaced Ideals”のアルバム・ジャケットのデザインは、あの有名な、”Hipgnosis”です。
(ついでに、”In Through the Out Door”もそうです)
当時は、LPジャケットを部屋に飾ったものです。
本当に、”Hipgnosis”彼らの作品はアートそのものでした。
>アルバム”Facades(邦題:「虚飾の扉」)”に関する記事はこちらから
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お気をつけください
最後に、アルバム購入時の注意事項です。
“Misplaced Ideals”と同タイトルのアルバムがあります。
ジャケットのデザインが、「ワイングラスを片手に持った女性」のデザインです。
女性の顔がスッポットライトの関係でしょうか、”With the Beatles”状態で半分影になっているものです。
このバージョンは、ジャケットのデザインだけではなく、曲編成も異なっています。
1作目の”Fanx Ta-Ra”と、2作目の”Misplaced Ideals”の佳作を半分ずつ並べたものです。
“To Cut A Long Story Short”(早い話が・・・。(”Spandau Ballet”の”Diamond”より))、初期のベストアルバム的なものです。
“Fanx Ta-Ra”にも、”Hungry Eyes” 、”Black Rose”、”I Believe (Love Will Survive)”などの秀作もあり、このアルバムにも収録されていますので、こちらを敢えて購入するのもよいかもしれません。
(くどいようですが、本来の2作目のアルバム “Misplaced Ideals”は、ジャケットがおどろおどろしい方ですので、ご注意ください。)
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Misplaced Ideals by Sad Cafe (2008-08-19) 新品価格 |