迷ったらこの1枚「おすすめのアルバム」は、”Fascination ” です。
「えっ! ミニアルバムじゃん」という驚きの声が、聞こえてきそうです。
「”Don’t You Want Me” が入っている”Dare“じゃないの」とさらにツッコミが入ってきそうです。
“Heaven17” と枝分かれ
実は、”Don’t You Want Me”で一躍有名になった”Human League”ですが、この曲が収録されているアルバム “Dare”の前に、既に2枚のアルバムを発表しています。
確実に言えることは、”Dare”ほど、ポップではないということです。
(かなりポップではない。 “Joy Division” に近いのではないでしょうか。)
“Dare”が発表される前に、創立時のメンバーの”Ian Craig Marsh“と”Martyn Ware“が脱退し、”Heaven 17“というバンドを結成します。
一方、創立メンバーの一人”Philip Oakey“は、新しいメンバー(ディスコでスカウトした女性2人)を加えて新生”Human League”はスタートするのです。
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創立時、”Philip Oakey”は、楽器が弾けないということで、ボーカルを担当することになります。
“Dare”の前のアルバム”Reproduction” 、”Travelogue“の音は、おそらく”Ian Craig Marsh” と”Martyn Ware”によるものだと思いますので、むしろ、”Heaven 17″側の方が、本家”Human League”と呼ぶのに相応しいのではないかと感じます。
ただ、”Heaven 17″の音も、”Reproduction” 、”Travelogue”時代の音とまた、異なっているのも事実です。
“Fascination”で開花
ただ、多くの洋楽ファンにとって、”Human League”というのは、”Don’t You Want Me”に代表されるように、エレクトリック・ポップ全盛期の最も華やかなバンドというイメージがあると思います。
そこで、話をおすすめのアルバムに戻しましょう。
アルバム”Fascination”は、”Dare”の延長線上にあるアルバムですが、ひと皮むけたという印象があります。
女性ボーカル2人も、”Dare”の頃は、恐る恐るという感じがしましたが、”Fascination”では、自信にあふれているという印象を受けます。
それは、楽器の演奏にも言えることです。
アルバム”Fascination”の曲の構成は、”Fascination” 、”Hard Times” 、”Mirror Man” 、”I Love You To Much”の4曲がだったと記憶しています。
(当時のLP版と、CD化されたものとでは、曲の構成も変わっています。)
そして、一曲、一曲は、”Dare”の頃よりも、格段に、曲自体のクオリティーが高くなっていることと、
演奏に力強さを感じます。
なかでも、”Mirror Man”は、メンバー全体の自信がみなぎっているのでしょうか、絶頂期のエレクトリック・ポップと言える内容です。
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“The Lebanon” で、ギターサウンド?
次作の、”Hysteria“で、かなりの音楽性の変化がありました。
エレクトリック・ポップとは、呼び難いような変化です。
シングル曲”The Labanon“でいきなり、ギターがかき鳴らされたのは、正直驚きでした。
“Louise“では、落ち着いた曲調で、こういう曲も書けるのだなとしみじみ感じました。
“Life on Your Own“なども、エレクトリック・ポップという枠を越えた印象的なメロディーが心に残る曲です。
Human League – The Lebanon 投稿者 jpdc11
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再び、エレクトリック・ポップへの回帰
そして、”Electric Dream“(”Limar“(”Kajagoogoo“のボーカル、脱退後にソロ活動を行う)の”Never Ending Story“に似ていますね。”Giorgio Moroder“の遺伝子を感じます。 )で、エレクトリック・ポップに回帰します。
アルバム”Fascination”は、エレクトリック・ポップ全盛期、”Human League”の音も絶頂期のアルバムです。
曲数は少ないですが、粒揃いのピリッとした魅力的な曲が満載のアルバムです。