迷ったらこの1枚「おすすめのアルバム」は、”Pelican West” です。
と言っても、迷うことはないでしょう。
“Haircut One Hundred”は、このデビュー・アルバム”Pelican West”と次作の”Paint & Paint”の2枚しかアルバムを出していません。
しかも、”Pelican West”をリリース後、人気絶頂期のうちに、フロント・メンバーの”Nick Heyward”:「ニック・ヘイワード」がバンドを脱退しています。
何か、”Depeche Mode(ディペッシュ・モード)”の作詞作曲を担当していたリーダーの”Vince Clarke”(後に”Yaz”結成)が、1作目の”Speak And Spell”をリリース後に脱退したのと似ています。
ただし、両者はその後のバンド活動において明暗を分けています。
“Depeche Mode(ディペッシュ・モード)”は、”Vince Clarke”の穴を、”Martin Gore”が見事に埋め、次作の”A Broken Frame”は、前作の”Speak And Spell”よりも、ずっと洗練された内容になりました。
一方で、”Haircut One Hundred”の方は、”Nick Heyward”なきあとの窮地をぬけることができずに、その人気は急速に下火になっていくのでした。
一過性のムーブメントではない作品”Pelican West”
しかし、この作品”Pelican West”は、一時期の人気の「ファンカラティーナ」(ファンクとラテン・ミュージックの融合)というムーブメントにおいて爪痕を残したというだけでなく、ポップ・ミュージック界においても確かな礎を築いた作品といえるでしょう。
“Haircut One Hundred”の作品自体は、少ないですが、強烈な印象を残しています。
やはり代表曲は、”Favourite Shirts (Boy Meets Girl)”
代表曲の”Favourite Shirts (Boy Meets Girl)”で、華々しいデビューを飾りました。
その独特のギターのカッティングとブラス音は、とても新鮮でした。
ラテン・フレーバーたっぷりで、もう、完全に夏向きの曲です。
アルバム・ジャケットは、敷き詰められた落ち葉の上に寝そべっているメンバーの写真ですが、季節はまさに秋という感じで、曲調とのギャップを感じます。
彼らのファッションも、デビュー当時よりも少し前に流行っていた「アイビー・ファッション(ハーバードをはじめとするアメリカ8つの名門大学の総称、アイビーリーグの学生が身にまとうようなファッション)」を連想させるようなきちっとした格好です。
爽快感たっぷりの”Love Plus One”
続く”Love Plus One”は、「シロフォン」と「ソプラノ・サックス」の音色が心地良いさわやかな楽曲です。
彼らのファッションと同様、好感度の高い曲です。
伝説のライブでも披露されたの”Fantastic Day”
さらに、軽快で、ご機嫌なナンバー”Fantastic Day”。
2014年の”Rewind Festival”で、何十年もの時を越えて”Nick Heyward”がその懐かしい姿を見せてくれました。
甘酸っぱさも感じられる”Surprise Me Again”
“Haircut One Hundred”は、ノリノリのラテン系の曲一辺倒ではないことを証明するかのような充実の作品が”Surprise Me Again”です。
個人的には、”Haircut One Hundred”のベスト・ソングだと思っています。
ギターのフレーズなどは、感涙ものです。
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ソロ活動へと転身した”Nick Heyward”
“Pelican West”以後の彼らの活動において、やはり注目すべきなのは、2作目の”Paint & Paint”の方ではなく、ソロ活動を始めた”Nick Heyward”の方でしょう。
当時流行した「ファンカラティーナ」の一過性のブームを軽く凌駕するソング・ライティング力を見せつけてくれます。
ソロ活動第一弾のアルバム”North of a Miracle”に収録された”Whistle Down The Wind”を聴けば、彼の非凡さにすぐに気がつくことでしょう。
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