カルト・ヒーローからロック・スターへ
このアルバム”Let’s Dance”に行き着くまでに、様々な道のりがありました。
奇抜な格好で、カルト的なヒーローを演じたり、そのカリスマ性は十分でしたが、このアルバムと一連のヒット曲でロック・スターの仲間入りを果たしたことは間違いないでしょう。
昔からのファンの目には、ポップ路線を歩むことについて「大衆迎合」と映ったかも知れませんが、多くの音楽ファンにとっては、彼の才能をよりわかりやすく表現してくれたことは、歓迎すべきことだと思います。
新境地の”Let’s Dance”
さて、アルバム”Let’s Dance”ですが、優れた楽曲の3連チャンから始まります。
“Modern Love”からスタートです。独特の節回しのギターが冴えています。
続くドラムの音も決まってますね。
キーボードのフレーバーもいい感じです。
さらに、サックスが絡んできて、曲の仕上がりも良好です。
幸先の良いスタートです。
続く、”China Girl”、タイトル通り中国を連想させる印象的なギターの前奏で始まるこの曲も、間奏のギターはまた違った印象のソロで、そして終盤は再び前奏のコミカルな中華風カッティングのギターと終始ポップセンスを散らばめた秀作です。
そして、タイトル曲の”Let’s Dance”は、文字通り、このアルバムの代表曲です。
“David Bowie”の新境地です。
独特のリズムの刻みとコーラスは、当時の音楽界に新鮮な衝撃を与えました。
間違いなく曲自体が素晴らしいし、”David Bowie”の押し殺すような歌声の魅力は重要な要素です。
この他にも、”Criminal World”も渋くてカッコいい曲だと思います。
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磨きがかかったポップ・センス
次作の”Tonight”も、”Let’s Dance”の路線を踏襲したアルバムだと思います。
タイトル曲の”Tonight”は、よりポップ・センスに磨きがかかったハイ・センスな曲です。
“Tina Turner”とのデュエットとありのレゲエ調のゆったりとした大人のポップ・ソングです。
そして、”Blue Jean”、”Let’s Dance”より、さらにダンサンブルじゃないかと感じます。
ポップになっても、その姿はとても絵になるカリスマ性はまったく失われていない”David Bowie”がそこにいます。
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