普通じゃない!?
そうです。彼女は、本当に、”Unusal”(普通じゃない)です。
そのダンスにしても、これまで見たどのダンスとも似ていないとてもユニークなものでした。
ファッションも、その歌声も、今までどこにも存在しないダーウィンの進化論を軽く凌駕したものでした。
しかし、衝撃的なデビューで話題をさらいましたが、その音楽は今聴いても決して輝きを失うことのない優れた作品です。
度肝を抜かれた”Unusal”サウンドとダンス
では、その綺羅星の作品群を見ていきましょう。
最初の曲は、”Money Changes Everything”です。
曲のタイトルが切ないですね。
それを暗示させるような、華やかな前奏ですが、キーボードのメロディーがどこか物悲しく響きわたります。
間奏の部分の鍵盤ハーモニカ(小学校の音楽の授業で大活躍した)も、こんなイカした曲に使われてこれまでの地道な苦労が報われたという感じでしょうか。
“Cyndi Lauper”代表曲の”Girls Just Want To Have Fun”よりさらに、渾身の力の振り絞った力作です。
次の曲は、言わずと知れた”Girls Just Want To Have Fun”(邦題は、当時、「ハイスクールはダンステリア」でした。まさに、PVのイメージはそんな感じでした。)
冒頭でも触れましたが、その踊りは、今見ても衝撃的なものですから、当時としては、「度肝を抜かれた」という表現がしっくりくるでしょう。
このPVで大真面目な顔をして踊っているおじさんに触発されて、”Bangles”の”Walk Like an Egyptian”が生まれたことはまず間違いないでしょう。
踊りは勿論ですが、この曲のその音も当時としては、かなり衝撃的な思いで聴衆に出迎えられたものと思います。
間奏の指一本でキーボードを叩く”Cyndi Lauper”の姿を見て、プログラマー時代の若きエンジニアの自分の姿がダブりました。
(でも、今はこの原稿をブラインド・タッチでキーボードに向かって打っています。ブラインド・タッチの方が目に優しくて疲れませんよ。スマホ世代の人には関係ないか・・・)
4曲目の”Time After Time”は、名曲ですね。
別の意味で、”Unusual”(普通じゃない)です。
もはや洋楽のスタンダードです。
踊りを封印して歌声だけで真っ向勝負の”Cyndi Lauper”です。
この「しっとり系歌だけで勝負名曲シリーズ」は、同じく名曲”True Colors”(アルバムも同タイトル)に引き継がれていきます。
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5曲目の”She Bop”のPVに出てくる列をなして歩いている人たちの動きに注目して下さい。
右足と右手が同時に出ていますね。この歩き方は、「ナンバ歩き」という歩行法です。
(正確には、右足と右半身(右肩、右腰)が連動する動きで腰を捻らないので足・腰の負担が少なく疲れにくいため、長時間走り続けなければならなかった江戸時代の「飛脚」はこの走行法を取っていたと言われています。
また、腰を捻らないため、内臓への負担も少ないと言われています。)
完全に余計な情報でした。
6曲目の”All Through the Night”:楽曲も良くバランスの取れた曲です。安心して聴けるエレクトリックなサウンドが散りばめられた綺麗な曲です。
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普通じゃなければだめですか?
魅力的な曲がたくさん詰まったアルバム”She’s So Unusual”ですが、近年、「シーズ・ソー・アンユージュアル30周年記念盤(DVD付)」というもの出ていますので、音質もリマスターされていて向上していますので、購入するならそちらの版をおすすめします。
それにしても、もう30年も経つのですね。
ファッションやメイク、踊りばかりが注目されているように見える”Cyndi Lauper”ですが、曲だけ切り出しても優れたアーティストであることは間違いありません。
“Unusal”万歳です。皆違っていいのです(「相田みつを」も言っています。)。
横並び意識では何かは決して生まれません。