“INXS”の絶頂期の3部作の最終作となるアルバムです。
前々作のアルバム”Listen Like Thieves”でバンドの音楽性が確立し、前作の”Kick”で数々の名曲を生み出し、彼らの黄金期を締めくくるアルバムとなりました。
王道、”INXS”サウンドの聴き納めです。
曲目リスト
- Suicide Blonde
- Disappear
- The Stairs
- Faith In Each Other
- By My Side
- Lately
- Who Pays The Price
- Know The Difference
- Bitter Tears
- On My Way
- Hear That Sound
王道、”INXS”サウンドのフィナーレ!
1曲目の”Suicide Blonde”:
3部作最終章も、過去2作同様、強烈な先制パンチをおみまいしてくれました。
前作よりも、よりファンキーな印象を感じます。
このアルバムで多用されるハーモニカの音色が、そのファンキーさに一役買っていると思います。
ファンキーであると同時に、セクシーでダークな危険な香りを漂わせています。
2曲目の”Disappear”:
次作の”Welcome to Wherever You Are”で、新たな展開を見せてくれる”INXS”ですが、この曲”Disappear”の曲の冒頭で、その片鱗が見え隠れしています。
全体的には、従来のはぎれのよいサウンドが曲の全体を支配していますが、次作のアルバムに収録されている”Beautiful Girl”のような甘美なフレーズをときおり顔をのぞかせています。
新たな飛躍の準備はもう始まっているのですね。
3曲目の”The Stairs”:
「あれ、どこかで聞いたようなリズムだな」と思ったら、”U2″の”Joshua Tree”のアメリカ南西部の広大な大地の息つかいを感じるあのサウンドです。
そして、”Michael Hutchence”「マイケル・ハッチェンス」の歌う姿は、”With Or Without You”を歌う”Bono”を連想させました。
5曲目の”By My Side”:
ステージ上で跳躍するバンドのフロントマンである”Michael Hutchence”「マイケル・ハッチェンス」が、ゆったりと情感込めて歌い上げる至極のラブ・バラードです。
“By My Side”というと、それに呼応するかのような”Sade”の”By Your Side”を思い浮かべますが、どちらもバンドの代表曲となりえる名曲だと思います。
興味深いのは、”Sade”の”By Your Side”の方は、女性がよりそうようにとても穏やかに歌っているのに対して、”INXS”の”By My Side”は、”I Wish”と祈るほどに情熱的に歌っているということです。
男性の方がロマンティストな側面があるのでしょうか。
9曲目の”Bitter Tears”:
“What You Need”で確立した「これぞ、”INXS”」というメリハリの利いた王道の一曲です。
小気味の良いリズムが、ピアノの演奏にも躍動感をおぼえます。
次作”Welcome to Wherever You Are”で新たなステージへ!
“What You Want”で、幕が開けた王道”INXS”サウンドが、この”X”で幕を閉じようとしています。
だからといって、悲嘆にくれることはありません。
次作”Welcome to Wherever You Are”で、また新たな展開を見せてくれます。
自ら作った音楽性を打ち破ることで、また彼らの新しい魅力を発揮することになるのです。
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