【洋楽】おすすめのアルバム”Working With Fire & Steel” : “China Crisis”(チャイナ・クライシス)

洋楽アルバム紹介

“China Crisis”の2作目のアルバムです。

牧歌的で、幻想的な曲が魅力の”China Crisis”ですが、なんとメンバーの出身地は、リバプールの工業地帯です。

“Fire & Steel”に囲まれた生活環境の中で、かくも美しいメロディーが生まれたのか気になるところです。

また、リズムを構成する楽器として、シンセサイザーを多用したことからも「シンセ・ポップ」などと呼ばれる”China Crisis”ですが、メンバーにオーボエ奏者を迎え、深みのある音が聴けるようになったのも楽しみのひとつです。

<曲目リスト>

  1. Working With Fire And Steel
  2. When The Piper Calls
  3. Hanna Hanna
  4. Animals In Jungles
  5. Here Comes A Raincloud
  6. Wishful Thinking
  7. Tragedy and Mystery
  8. Papua
  9. The Gates Of Door To Door
  10. The Soul Awakening

シンセ・ポップと言われてますがブラスの音が鍵

1曲目の”Working With Fire And Steel”: 意外にも、牧歌的な雰囲気の曲を多く輩出している”China Crisis”の創立メンバーの2人”Gary Daly”と”Eddie Lundon”は、リバープールのカービーという工業地帯の出身ということです。

“Fire And Steel”は、工業地帯に住み慣れた彼らにとって日常的な光景なのかもしれません。

アルバム・ジャケットの表記”Possible Pop Song Volume Two”通り、軽快でポップなリズムにのってリズム・セッションが躍動しています。

しかし、そこは、”China Crisis”のことですから、曲調は、ゆったりとして、歌声は極めて優雅です。

2曲目の”When The Piper Calls”: パーカッションのみの前奏の後、印象的な短いブラスの音の後に続くギターのフレーズがとても良いですね。

シンセサイザーとともに聴こえるオーボエが曲の雰囲気作りに一役買っていいます。

オーボエを担当しているのは、このアルバムから新しくメンバーに加わった”Steven Levy”です。

“China Crisis”は、リズム部分にシンセサイザーを起用していることから、「シンセ・ポップ」などと称されていることもありますが、この曲”When The Piper Calls”もそうですが、彼らの音楽に非常に重要な役割を果たしているのは、ブラスの音だと思います。

本作”Working With Fire And Steel”の中でも、ブラスの音が効果的に使われている曲が何曲かあります。

3曲目の”Hanna Hanna”: これほど躍動的で、美しい曲があるでしょうか。

楽曲のできも素晴らしく、時折聞こえてくる木琴のような音も非常に効果的です。

4曲目の”Animals In Jungles”: “China Crisis”の作品中で、もっとも激しいリズムではないでしょうか。

特徴的なシンセサイザーによるメロディーは、頭の中にいつまでも残ります。

6曲目の”Wishful Thinking”: “China Crisis”の代表曲であり、実際に、”China Crisis”の世界を実に良く表現している曲です。

美しい曲調に、ストリングスの音がとても似合います。

7曲目の”Tragedy and Mystery”: 力強いドラムとベースの音に続いて、シンセサイザーが鮮やかなメロディーを奏でます。

この曲の間奏でも、”Steven Levy”のオーボエがいい味を出しています。

その後の、珍しいベース・ギターのソロは、渋くてカッコいいですね。

楽器の演奏だけでなく、傑出したメロディーにのせたロマンティックな歌声は”China Crisis”の真骨頂です。

8曲目の”Papua”: シングル・カットされたわけでもなく、アルバムに何気なく収めれらている一曲が、これほど美しいのは、このアルバム”Working With Fire & Steel”の音楽性の高さと、この時期の”China Crisis”の創造力の凄さを物語っています。

牧歌的で、幻想的な雰囲気を、バス・ハーモニカの音色が巧みに作り出しています。

“China Crisis”と”Steely Dan”(スティーリー・ダン)

本作”Working With Fire & Steel”と、”China Crisis”のサウンドは、派手さはないものの、彼らの音楽性がはっきりと示された上質なポップ・ソングであることは間違いないでしょう。

その後、次作のアルバム”Flaunt the Imperfection”で、”Steely Dan”の”Walter Becker”をプロデューサーに迎え、”China Crisis”の音がどのように変わっていったのか興味深いところです。

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