“U2″の3作目のアルバムです。
初期の”U2″を代表する”Sunday Bloody Sunday”と”New Year’s Day”が収録されているアルバムです。
“Sunday Bloody Sunday”はタイトルが示す通り、北アイルランドで起きた「血の日曜日事件」を歌った曲です。
“U2″の原点ともなる曲で、あまりの政治色の強さから、メンバーもライブでの演奏をためらっていた時期もありましたが、多くの聴衆の支持を集め、その後の”U2″のライブはギネス級の動員数を記録しています。
<曲目リスト>
- Sunday Bloody Sunday
- Seconds
- New Year’s Day
- Like A Song…
- Drowning Man
- The Refugee
- Two Hearts Beat As One
- Red Light
- Surrender
- ’40’
ますます重みを増していく”Sunday Bloody Sunday”
1曲目の”Sunday Bloody Sunday”:「血の日曜日」事件(北アイルランドのロンドンデリーで、デモ行進中の市民27名がイギリス陸軍落下傘連隊に銃撃された事件)を歌った初期”U2″の代表曲です。
当初、ライブでこの曲を演奏するか、メンバー自身に相当迷いがあった曲ですが、多くの聴衆に指示されて、”U2″のメンバーも自分たちの音楽活動に自信を持ったエピソードがあります。
アルバム・バージョンを聴いて見ると、テーマは重たいですが、様々な楽器が駆使されていて音も今ほど重たくない感じがします。
>曲”Sunday Bloody Sunday”に関する記事はこちらから
ライブで演奏されている音(とりわけ、アルバム”Unforgettable Fire”以降のライブ)は、重厚で、研ぎ澄まされた音という印象があります。
アルバム”Unforgettable Fire”の”Pride (In The Name Of Love)”で、”Brian Eno”が仕掛けた音作りが、色濃く反映された結果だと思います。
アルバム・バージョンとの音の違いを感じてください。
随分と音の変化を感じることと思いますが、これこそが、”Brian Eno”起用の成果であり、現在の”U2″の音を作った”Brian Eno”の功績です。
2曲目の”Seconds”: “Adam Clayton” の強烈なベースギターが強力なリズムを刻み、”Larry Mullen Junior” のドラムが、炸裂して強烈なビートを叩き出しています。
“The Edge”のアコースティック・ギターが空間を切り裂くがごとくキレキレの音を発しています。
緩やかなテンポでありながら、”U2″らしいエネルギッシュな演奏に圧倒されます。
3曲目の”New Year’s Day”:”Sunday Bloody Sunday”と双璧をなす初期”U2″の代表曲です。
とりわけ前奏の楽曲部分が素晴らしいです。
“Adam Clayton” のベースギターで始まり、”The Edge”の切れ味鋭いギターに続き、これまた”The Edge”のピアノが美しいメロディを奏でます。
間奏部分でも、再び”The Edge”のキレのあるギター・プレイが楽しめます。
勿論、”Bono”のボーカルも、この素晴らしい楽曲を引き出すには十分すぎる迫力があります。
5曲目の”Drowning Man”:”The Edge”のギターも切れ味を誇示するというよりも、 “Adam Clayton” の流れるように滑らかなベースギターと上手く溶け込んで、”Bono”の歌声が最大限に味わえるようにサポートしています。
9曲目の”Surrender”:”The Edge”のギターが、いつものキレキレの音と違って滑らかなスライド・ギターのような音を醸し出していると思いきや、”The Edge”がキー・ボードを演奏していました。
“Simple Minds”を思わせる甘美なメロディがチラチラと見え隠れする魅力的な曲です。
“U2″の曲想の原点
次作のアルバム””Unforgettable Fire”が、”Brian Eno”によって、重厚で、研ぎ澄まされた現在の”U2″の音を作り上げたとすれば、本作は、”Sunday Bloody Sunday”に代表されるように”U2″の曲想を作り上げた記念すべきアルバムだと思います。
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