“New Order”9作目のアルバムです。
本作”Waiting for Sirens’ Call”には、驚かされた部分がいくつかあります。
まず、アルバムに先駆けて発表されたシングル”Krafty“です。
あまりにポップで、この甘甘なキャンディ・ポップまがいの曲は本当に”New Order”の作品なのだろうかと疑ったほどです。
(正直、今回は、アルバムの購入を見送ろうかと思ったほどです。)
(意を決して、実際に購入してみると、やはり”New Order”は只者ではない。”Krafty”もそんな浅はかな曲ではないということがわかりました。)
もう一つの驚きは、アルバム・ジャケットのデザインです。
「工事中」かと思いました。(ご迷惑をお掛けしております。完成までしばらくお待ちください。)
何か深い意味があるのだとは思いますが、あまりにシンプルです。
アルバム収録中の曲を辿ってみると、その音に驚かされるところが何点かあります。
<曲目リスト>
- Who’s Joe?
- Hey Now What You Doing
- Waiting For The Sirens’ Call
- Krafty
- I Told You So
- Morning Night And Day
- Dracula’s Castle
- Jetstream (feat. Ana Matronic)
- Guilt Is A Useless Emotion
- Turn
- Working Overtime
“New Order” 斬新な音が見え隠れ
1曲目の”Who’s Joe?”:アルバム”Waiting for Sirens’ Call”始まりを告げる鐘の音が響き渡ります。
前作の”Get Ready“で見せたギター・サウンドが健在であることがこの曲からも伺えます。
2曲目の”Hey Now What You Doing”:「ギター・サウンド健在」どころの話ではありません。
ギター・サウンド全開です。
とうとう間奏にギターのソロが始まります。
他のバンドでは、さして特筆すべきことではありませんが、”New Order”にとってはとても斬新な出来事です。
3曲めの”Waiting For The Sirens’ Call”:表題曲であり、キャッチーなサウンドに多少たじろぎましたが、楽曲の美しさは相変わらずです。
4曲めの”Krafty”:あまりにキャッチーすぎて、心配になるほどです。
しかし、間奏部分の楽曲の素晴らしさは、”New Order”のどの作品と比べても引けを取らないほど魅力的でめくるめくメロディーの展開に垂涎ものです。
この曲”Krafty”は、”Bernard Sumner”が、「日本語」で歌ってくれているバージョンがあります。
日本のファンにとっては、うれしいことです。
(曲の仕上がりを「どうのこうの」言ってはいけません。
日本語で歌ってくれているだけで、大変有難いことなのです。)
5曲目の”I Told You So”:この曲での試みに比べたら、今までの音楽的な変化はコスメティックな変化に過ぎません。
今までにない重厚な音です。
レゲエ・サウンドの導入も行われています。
間奏部分の小気味良い音は、実に斬新で、またひとつ”New Order”の音の広がりを感じさせませす。
6曲目の”Morning Night And Day”:重厚な音は、まだまだ続きます。
そして、ベース・ギター奏者の”Peter Hook“の、リード・ギターばりのベース・ギターのソロも健在です。
8曲目の”Jetstream”:この曲も、”New Order”のこれまでのどの曲にも似ていないですね。
どこから、こんな若々しい感性が湧き出てくるのでしょうか。
10曲目の”Turn”:メランコリックな楽曲とギター・サウンドの見事な融合が完全に”New Order”の新しい魅力として定着した感があります。
多彩なジャンル、曲調への広がり
このアルバムでも、”New Order”はいろいろな試みをしています。
ロック界の大御所になった今でも、新しい音楽に挑戦する意欲は若いアーティストに負けてはいません。
そのことが、長きい渡って音楽界に君臨している所以なのでしょう。
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