“Garbage”の文字通り”Version2.0″ 2作目のアルバムです。
まるで、コンピュータのOS(オペレーション・ソフト)の型番みたいなアルバム・タイトルですが、デビュー・アルバムから、かなりの機能追加がされています。
まず、楽曲が格段に良くなりました。
もう、”Butch Vig”が、”Nirvana”のプロデュースをしていたなどの話題性は不要です。
とことん曲で勝負です。
<曲目リスト>
- Temptation Waits
- I Think I’m Paranoid
- When I Grow Up
- Medication
- Special
- Hammering In My Head
- Push It
- The Trick Is To Keep Breathing
- Dumb
- Sleep Together
- Wicked Ways
- You Look So Fine
バージョン・アップで大幅機能向上
1曲目の”Temptation Waits”: バージョン・アップ、リリース1.0 一曲目からサクサクと快調です。
サビの部分のメロディは極上のポップ度ですし、間奏のギターはイカしています。
バージョン・アップがどれほど強力なものであったか、即実感の一曲です。
2曲目の”I Think I’m Paranoid”: “Paranoid”:「偏執症」、「誇大妄想的な」(患者)という意味ですが、
次作の”Beautiful Garbage”にも、”Andogyny”(両性具有)の話が出てくるなど、”Garbage”の世界は穏やかではないです。
“I Think I’m Paranoid”と自覚症状があるようですから、当人はいたって冷静なのかも知れません。
曲の方は、とても美しいメロディを持った素晴しい曲です。決して誇大ではありません。
3曲目の”When I Grow Up”: ポップ度全開の5曲目の”Special”と双璧をなす傑作です。
バージョン・アップ後は、起動も早いです。
曲開始後、10秒あまりで、最高潮に達します。
あまりのノリの良さに、クライマックスでは、”Shirley Manson”の声が高揚し、「野原しんのすけ」がチラチラ見え隠れする勢いです。
楽曲の良さが、今回のバージョン・アップの最大の売りです。
5曲目の”Special”: 楽曲の良さは、3曲目の”When I Grow Up”と肩を並べるほどの出来具合です。
ベース・ギターが歌うかのようにうねっています。
“Shirley Manson”がだんだん”The Pretenders”の”Chrissie Hynde”になってきます。
ギターの音も”The Pretenders”の音を連想させます。
7曲目の”Push It”: 綺麗な女性コーラスとは裏腹に、映像はかなり病的です。
ちょっとシュールすぎて、寒気を覚えるほどです。
しかし、ギターを中心とした楽曲はきまっています。
12曲目の”You Look So Fine”: しっとりとした曲も難なくこなす”Shirley Manson”。
案外、”Garbage”を引っ張る存在なのかも知れません。
このサビの部分の美しいメロディは明らかに”Garbage”の強力な武器です。
及第点をもらったのはどっち?
3人の実績のあるプロデューサーに囲まれて、プレッシャーのかかる紅一点のボーカル”Shirley Manson”だと思いますが、ノリの良い曲も、しっとりと歌い上げる曲も、見事にこなしています。
ステージ場の堂々とした様子からも、プレッシャーなど微塵もない感じです。
もしかしたら、「私の歌のパフォーマンスを維持するためにも、おじさんたちしっかりね」ぐらいに思っているのかも知れません。
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