“Shania Twain”4作目のアルバムです。
前作の”Come On Over”は、世界的な大ヒットを記録しました。
本作の”Up!”は、前作の勢いをそのままに、”Shania Twain”の魅力をたっぷりと詰め込んだ充実の一枚となっています。
<曲目リスト>
- Up!
- I’m Gonna Getcha Good!
- She’s Not Just A Pretty Face
- Juanita
- Forever And For Always
- Ain’t No Particular Way
- It Only Hurts When I’m Breathing
- Nah!
- (Wanna Get To Know You) That Good!
- C’est La Vie
- I’m Jealous
- Ka-Ching!
- Thank You Baby! (For Makin’ Someday Come So Soon)
- Waiter! Bring Me Water!
- What A Way To Wanna Be!
- I Ain’t Goin’ Down
- I’m Not In The Mood (To Say No!)
- In My Car (I’ll Be The Driver)
- When You Kiss Me
魅力的なPVも”Shania Twain”の強力な武器
1曲目の”Up!”:日本の車のCMに起用されたので、曲名は知らなくても、聴いたことがある人は多いでしょう。
とてもキャッチーな曲で、一度聴いたら忘れないメロディーです。
2曲目の”I’m Gonna Getcha Good!”:PVの映像も曲同様にいかしています。
“Up!”同様、楽曲のセンスの良さが光ります。
この時代の”Shania Twain”歌声はとても良いですね。
次作の”Send It With Love”の時には、ロック調の曲に合わせるかのように、甘えるような魅力的な歌声は影を潜めてしまうのは残念です。
3曲目の”She’s Not Just A Pretty Face”:ギターの心地良いメロディにのせて、様々な職業の女性が登場します。
“Astronaut”(宇宙飛行士)、”Surgeon”(外科医)、”Ballerina”(バレニーナ)、”Geologist”(地質学者)などです。
職業を”Vocation”と呼びますが、職業というのは、単なる生活に必要なお金を稼ぐ手段ではなく、その人の「生きざま」そのものという見方もできます。
“Vocation”の語源は、声の”Voice”、歌手の”Vocal”と同じ語源の「呼ぶ」という意味です。
誰が呼ぶのかというと「神」です。
天の声というように、神からのお告げによって定められたもの(天職)です。
さしづめ、”Shania Twain”の天職は、”Vocalist”ということになるでしょう。
“She’s Not Just A Pretty Face”、人の外見ばかりを見るのではなく、その人の生きざまを見てねと言っているようです。
“Shania Twain”の美貌ばかりに気を取られるのではなく、私の歌を聴いてほしいということでしょうか。
5曲目の”Forever And For Always”:とろけるような甘美の歌声が、しっとりとしたメロディと調和して比類なく美しい作品に仕上がっています。
9曲目の”(Wanna Get To Know You) That Good!”:切ない感情を表現したような曲調が、聴く者の心を揺さぶります。
そんな”Shania Twain”の魅力的な歌声を十分堪能できる曲です。
12曲目の”Ka-Ching!”: “Ka-Ching”とは、間投詞で「チャリーン」とか「チーン」というレジの音を表します。
転じて、スラングで「大金を得る」とか「お金儲けをする」という時に用いられます。
13曲目の”Thank You Baby! (For Makin’ Someday Come So Soon)”:カントリー・ミュージックに欠かせないのが、バイオリンでしょう。
おやっ!バイオリンだけでなく、チェロまで登場しています。
カントリー・ミュージックとロック・ミュージックの融合だけでなく、クラッシック・ミュージックまで巻き込んでしまったのでしょうか。
18曲目の”In My Car (I’ll Be The Driver)”:非常にのりの良い曲で、ライブでも盛り上がること間違いなしです。
カントリーとロックのちょうど良い頃合は?
“Shania Twain”は、音楽のジャンルとしては、「カントリー」に属するのですが、本作の”Up!”と前作の”Come On Over”は、「ロック」ミュージックの色合いが強くでたアルバムです。
しかし、楽器の使い方(特にバイオリン)などは、カントリー・ミュージックの風合いを残していて、それがとても曲にいいアクセントを生んでいました。
次作となる”Send It With Love”に至っては、ロック一辺倒になり、カントリー・ミュージックの片鱗すら見ることがありません。
ロック・ミュージック・ファンの私にとっても、行き過ぎたロック・ミュージックの傾倒はあまり歓迎できるものではありません。
裏を返せば、それだけ、”Come On Over”や”Up!”の出来が良すぎたということです。
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