“Swing Out Sister”の4作目のアルバムです。
華々しいデビューから、2枚のアルバムを重ねて、”Swing Out Sister”の音楽の方向性はかなり定められたのではないかと感じます。
R/Bの男性ボーカル・グループの曲を題材にしても、十分、”Swing Out Sister”カラーに染め上げるほどの、自分たちの音楽に対する確固とした自信をのぞかせます。
<曲目リスト>
- Better Make It Better
- Don’t Let Yourself Down
- Ordinary People
- Mama Didn’t Raise No Fool
- Don’t Give Up On A Good Thing
- Making The Right Move
- La La (Means I Love You)
- Feel Free
- Stop And Think It Over
- That’s The Way It Goes
- All In Your Mind
- O Pesadelo Dos Autores
- Low Down Dirty Business
カバー曲も、”Swing Out Sister”カラーに染め上げて
1曲目の”Better Make It Better”: 次作の”Shapes & Patterns”にも収録されています。
同じ曲(勿論別のバージョンですが)が、続けて収録されるのは珍しいですね。
この曲、当人たちは、相当思い入れがあるのでしょうか。
今回のバージョンが気に入らなかったのか。
本作”The Livig Return”の出来も相当いいと思いますが。
両バージョンの違いを聴き比べてみるのも楽しいかも知れません。
>アルバム”Shapes & Patterns”に関する記事はこちらから
3曲目の”Ordinary People”: “Ordinary People”(普通の人々)(平凡な人々)でない、 “Corinne Drewer”が、歌う普通の人々の歌。
歌の中で、”You and Me”とは言っていますが、元ファッション・モデルで容姿淡麗、澄み切った伸びやかな歌声の持ち主が、”Ordinary People”のはずはないのですが・・・。
“Matt Bianco”が、”Basia”と一緒に制作した”Matt Moods”の中で、”Basia”が、”Ordinary Day”という曲を歌っていますが、一流アーティストは、日常的な人々と日常的な日々を過ごすことに憧れているのか、日常的な人々との日常的な出来事の中にこそ醍醐味があると信じているのでしょうか。
4曲目の”Mama Didn’t Raise No Fool”: アコースティック・ギターやピアノ、ウッド・ベース等、アンプラグドな音が、とても優しい音を作り上げています。
トランペットの音色もまるで、”Corinne Drewer”とデュエットをしているようです。
打楽器の音は、コンガでしょうか。
曲の収録の様子がよくわかる貴重な映像です。
6曲目の”Making The Right Move”: 曲の中程から最後のエンディングまで、アドリブのようなセッションが延々と続きます。
スタジオ録音をして、あまりに良い雰囲気だったのでそのまま収録したそうです。
確かに、楽曲の良さも相まって、音に身を任せていつまでも聴いていたくなるような心地良さがあります。
しかし、ポップ・ミュージックで、10分超の作品というのはすごいですね。
“Pink Floyd”(ピンク・フロイド)にのみ与えられた持ち時間だと思っていました。
7曲目の”La La (Means I Love You)”: 1968年にアメリカのR/Bのボーカル・グループ”The Delfonics”(デルフォニックス)の作品のカバーです。
“Swing Out Sister”の手にかかるとこれほどまでに、お洒落な曲に仕上がるのですね。
完全に自分たちのオリジナル曲であるかのように、”Swing Out Sister”カラーに染め上げています。
唸り声をあげているギターとストリングの味付けは見事です。
自らの音楽性に自信を深め、大飛躍まで秒読み段階
カバー曲でさへも、自分たちの音楽に染め上げるほどのバンドとしての音楽性が確立してきた”Swing Out Sister”です。
次作の最高傑作アルバム”Shapes & Patterns”に向けての整えるべき条件は、すべて満たしたと思えます。
勿論、本作”The Living Return”自体の魅力も十分です。
>”Swing Out Sister”に関する記事はこちらから
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