“New Order”、エリクトリック・ポップ路線最後の作品とも言えるアルバムです。
次作”Republic”から、エレクトリック的なサウンドは、影を潜めて音楽性も方向転換しているからです。
しかし、このアルバムがエレクトリック・ポップの限界点とかと言うと、まったく逆で、その到達点であると思います。
(考えようによっては、限界点=到達点なのかも知れません。もう、これ以上の作品は作れないということになるからです。)
ただ、このレベルの曲を何曲か作り続けることは可能だったはずです。
それをしないのが、”New Order”でしょう。
曲目リスト
- Fine Time
- All The Way
- Love Less
- Round & Round
- Guilty Partner
- Run
- Mr Disco
- Vanishing Point
- Dream Attack
インストルメンタル部分の楽曲は秀逸
1曲目の”Fine Time”:変幻自在のエレクトリック・サウンドの宝石箱、目まぐるしく曲調が変わる盛りだくさんのアソート作品です。
12インチシングルでは、さらにてんこ盛りのサウンドが炸裂します。
3曲目の”Love Less”:このアルバムでは、珍しいアコースティック・ギターにのったメロディーが美しい作品です。
4曲目の”Round & Round”:ベートーヴェンが、シンセサイザーを駆使したら、きっとこんな曲を作るのではないかと思わせる前奏から始まり、軽快なリズムが曲全体を華やげています。
“Peter Hook”のベースが相変わらずメロディーを奏でています。
(ベースギターなのに・・・、リズム部分は担当しないの?)
その分の負担は、ドラマーの”Stephen Morris”に相当きているはずです。
しかし、見事にこなしていますね。
しかも相当難しいドラミングであるのに・・・。
6曲目の”Run”:オープニングのドラムが印象的です。楽曲の素晴らしさが抜きん出ています。間奏部分のアコースティック・ギターとキーボードのハーモニーが絶妙で、本当に”New Order”のインストルメンタル部分の美しさは秀逸です。
7曲目の”Mr Disco”:エレクトリック・ポップ全開の曲です。
途中、響き渡る鐘のような音が効果的です。
8曲目の”Vanishing Point”:とにかく美しい。
メロディーが尋常ではない。
“New Order”でなければ決して作れない曲です。
間奏もまた見事です。
小刻みに刻まれたシンバルの後に、ドラムが打ち鳴らされ、キーボードの夢見心地な旋律が続きます。
9曲目の”Dream Attack”:少し長めのギターのイントロが実に渋くてカッコいい曲です。
ピアノ風のキーボードの音が洒落ています。
間奏のギターのフレーズも決まっています。
後半のギターソロも、恐ろしくカッコいいです。
二番煎じはだめですか?
「ニ番煎じと言われようとも同じようなアルバムを何枚か作って欲しい。」
そんな無茶な要求をしたくなるような出色のアルバムです。
![]() |
新品価格 |