“The Corrs “の2作目のアルバムです。
デビュー・アルバム”Forgiven,Not Forgotten”は、ケルト文化の香りが漂う牧歌的な雰囲気が強い作品でした。
本作の”Talk on Corners”は、現代的なポップ・ミュージックに、”Sharon Corr”のバイオリンと”Andrea Corr”のティン・ホイッスルが、アイルランド的な音楽を彩っています。
楽曲の素晴らしさと、3人の姉妹の繰り出すハーモニーが十分堪能できる充実の一枚となりました。
<曲目リスト>
- Only When I Sleep
- When He’s Not Around
- Dreams
- What Can I Do
- I Never Loved You Anyway
- So Young
- Don’y Say You Love Me
- Love Gives Love Takes
- Hopelessly Addicted
- Paddy McCarthy
- Intimascy
- Queen of Hollywood
- No Good for Me
- Little Wing
- Remember
- What I Know
- Dreams (Tee’s Radio Mix)
“The Corrs”ワールドを演出するバイオリンとティン・ホイッスル
1曲目の”Only When I Sleep”: “The Corrs”の魅力がわかりやすく表現された曲です。
楽曲の美しさもさることながら、3人の姉妹のハーモニーも十分堪能できて、間奏では、”Sharon Corr” (長女)
のバイオリンと”Andrea Corr”(三女)のティン・ホイッスルが楽しめます。
この2つの楽器は、”The Corrs”の音楽観を作り上げていく上でとても重要な楽器です。
ティン・ホイッスルは、アイルランド発祥と言われる縦笛で、ケルト音楽を時折感じさせる”The Corrs”の音にはなくてはならない楽器です。
(円筒管タイプのものは高音で多量の息が必要なため、ライブ・アルバムの”Unpluged”(「アコースティック」ライブ・アルバム)では、演奏者の”Andrea Corr”の息継ぎの音が聞こえてきます。)
2曲目の”When He’s Not Around”: 3人の姉妹の歌声が絶妙なハーモニーを醸しだしています。
姉妹だけに声の性質も似ていて、溶け込み具合が抜群です。
3人の声が綺麗であることは間違いありませんが、それぞれの声の違いがわかるでしょうか。
メイン・ボーカルの”Andrea Corr”の歌声は、末っ子らしいちょっと甘ったるいトーンです。
一方、姉たちの声は、少し大人びた雰囲気の感じです。
(いつも子供扱いされることを不服と思っている”Andrea”にとっては意義ありかも知れませんが・・・)
3曲目の”Dreams”: “Fleetwood Mac”の”Dreams”のカバーです。
“The Corrs”のオリジナル曲かと思いまがうほど、自分たちの音楽の世界に仕立て上げています。
前奏のティン・ホイッスルも原曲にも、あったのではないかと錯覚するほど、この曲が”The Corrs”テイストで甦っています。
こうなると、色々な名曲を”The Corrs”がリメイクしたらどうなるか聴いてみたくなりますね。
4曲目の”What Can I Do”: “The Corrs”人気に火をつけた一曲です。
いろんなバージョンがありますが、私は、”Jim Corr” (長男)の軽快なギターで始まるバージョンが好きです。
その他にも、ギターの替わりに、姉妹たちが歌声でリズムを刻むバージョンもあります。
キャッチーなメロディとともに、”Sharon Corr” (長女)の奏でる美しいバイオリンの旋律が人気の秘密でしょう。
6曲目の”So Young”: 明るい曲調にのって、若々しくて魅力的な”Andrea Corr”の歌声がたっぷりと楽しめる軽快なナンバーです。
聴いていてとても元気が出てくる曲です。
優れた楽曲に、”Sharon Corr” バイオリンも歌声と見事に融合して、このアルバムのイチオシです。
8曲目の”Love Gives Love Takes”: “Andrea Corr”が「子供扱いしないでね」とばかりに、しっとりと歌い上げます。
そんななか、姉たちがコーラスでしっかりと支えています。
9曲目の”Hopelessly Addicted”: これだけ美しい楽曲と、歌声を聴かされたら、誰もが、”Addicted”「はまってしまいます」よね。
ギターとバイオリンがこれほどまでに、”chemically”な融合を見せるとは”The Corrs”の音楽を聴くまでは想像もつかなかったことです。
11曲目の”Intimascy”: オリジナルは、”Billy Steinberg”、”Neil Giraldo”、”Rick Nowels”による作品です。
“Andrea Corr”が情感たっぷりと歌い上げます。
確かこの曲は、”Meja”もカバーしていました。
12曲目の”Queen of Hollywood”: “The Corrs”らしさが遺憾なく発揮された力作です。
“Sharon Corr” バイオリンとともに静かな歌いだしで始まり、やがて徐々に熱を帯びてきます。
“Caroline Corr”(次女)のドラムとギター・ソロが絡み合い、曲の盛り上がりも最高潮に達します。
美しくも繊細な前半部分とエネルギッシュなパワー全開の迫力ある後半部分の演奏の両方が楽しめる魅力あふれる一曲です。
“The Corrs”カラーで染め上げるカバー曲
本作は、オリジナル曲以外にも、”Jimi Hendrix”(ジミー・ヘンドリックス)の”Little Wing”や、”Fleetwood Mac”(フリートウッド・マック)の”Dreams”のカバーにも挑戦した”The Corrs”でしたが、カバー曲もオリジナル曲ではと聴きまがうほど”The Corrs”カラーに染め上げていました。
それができるのも、自分たちの音楽観というものがはっきりとしているからでしょう。
音楽観を持っているアーティストは無敵です。
聴衆が何を求めているのかわかっていることは、アーティストにとって、とても重要なことなのです。
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