“Sara Evnas”6作目のアルバムで、力強いバラードを歌い上げるそのスタイルが確立したといえます。
前作の”Real Fine Place”で、多種多様な音楽を追求し、どれもが高いレベルの音楽に到達した上で、自らが目指す音楽性を見つけたような気がします。
本作”Stronger”では、確立した音楽性を武器に統一感のあるアルバムとなりました。
曲目リスト
- Desperately
- A Little Bit Stronger
- My Heart Can’t Tell You No
- Anywhere
- Alone
- Ticket to Ride
- Life Without Losing
- What That Drink Cost Me
- Wildfire
- Born to Fly (Bluegrass Version)
今でも、十分”Stronger”!
1曲目の”Desperately”:
アルバムの1曲目は、王道のカントリー・ミュージックというお約束(そんな約束誰もしていないと言われそうですが)よりも、アルバムのコンセプトを優先して、カントリー・ミュージック色は控えめな曲となっています。
別に、”Desperately”「やぶれかぶれに」なっているわけではありません。
2曲目の”A Little Bit Stronger”:
アルバムの事実上の表題曲で、本作品の中核をなす曲です。
このような穏やかなテンポの曲で、なんでこんなにも、力強く伸びやかに歌い上げることができるのかその安定したゆるぎない歌唱力には驚かされます。
3曲目の”My Heart Can’t Tell You No”:
「本当に美しい!」
何がって曲がですよ。(私だって、純粋に曲に魅せられているんですよ、本当に本当です。)
表題曲の”A Little Bit Stronger”と双璧をなす楽曲です。
このような、力強いバラード曲は”Sara Evans”の真骨頂です。
4曲目の”Anywhere”:
前奏のギターの切れ味鋭い、ノリのよい曲で、ライブ演奏に映えそうな曲です。
おそらく聴衆もじっと座って聴いているのは困難でしょう。
それにしても、バンジョーの音がときおり聴こえてきますが、誰もバンジョーを弾いていませんね。
今時のカントリー・ミュージックは、ギターで代用しているのでしょうか。
“Anywhere”の具体的な例として、歌詞の中で、”New York”、”California”そして、”Mississippi”と列挙していますが、ミシシッピーを挙げるところがカントリー・ミュージックらしいです(彼女自身は、ミズリー州の出身ですが)。
6曲目の”Ticket to Ride”:
アルバム中、もっともカントリー・ミュージック色の強い曲です。
激しくかき鳴らすアコースティック・ギターに、ほんの少しバイオリンの音を加えるだけで、ぐっとカントリー・ミュージックらしくなるなんて、さすがにカントリー・ミュージックにはなくてはならない楽器です。
9曲目の”Wildfire:
ゆるやかなテンポの曲が多い、アルバムの中で、ひときわ異彩を放っているのは、アコースティック・ギターが爽やかにリズムを刻む”Wildfire”です。
アップ・テンポの軽快な曲ながら、きれいなメロディー・ラインも印象的な曲です。
10曲目の”Born to Fly(Bluegrass Version):
「今回のアルバムは、カントリー・ミュージック色が希薄で、カントリー・ミュージック・ファンの皆さまには、ちょっと物足りなかったかも知れなかったけど、お詫びに、私の代表曲の”Born to Fly”で、カントリー・ミュージックの魅力を十分味わってください。」
と、あたかも”Sara Evans”本人談のように書いていますが、これは全くの私の個人的な妄想です。
最近、本格的なカントリー・ミュージックが少なくなったとお嘆きの貴兄に贈ります。
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