【洋楽】おすすめのアルバム~”Sparkle in the Rain” : “Simple Minds”(シンプル・マインズ)

洋楽アルバム紹介

“Simple Minds”6作目のアルバムで、前作の”New Gold Dream”の美しさはそのままに、力強さが加わりました。

“Someone, Somewhere in Summertime”で展開された”Simple Minds”の美しい世界は、”Speed Your Love To Me”にしっかりと引き継がれました。

“Someone, Somewhere in Summertime”は、陽炎のようなあやうさがありましたが、”Speed Your Love To Me”は、現実世界とつながった地に足が付いた確固とした美しさです。

<曲目リスト>

  1. Up On The Catwalk
  2. Book Of Brilliant Things
  3. Speed Your Love To Me
  4. Waterfront
  5. East At Easter
  6. Street Hassle
  7. White Hot Day
  8. “C” Moon Cry Like A Baby
  9. Shake Off The Ghosts

美しさと同時に力強さを手に入れた”Simple Minds”

1曲目の”Up On The Catwalk”:前作の”New Gold Dream”の音と比べて随分力強さが加わったという印象です。

しかし、キーボードの奏でる音は、相変わらず甘美なメロディーです。

ボーカルの”Jim Kerr”は、アルバム”Sparkle in the Rain” 発表の時、「僕たちは、”New Gold Dream” では、「美しさ」を手に入れた、今度は、「美しさ」と「力強さ」を同時に手に入れたいんだ」と盛んにいってました。

(私自身、”New Gold Dream”は大変素晴らしいアルバムだと思いますし、この路線で何枚かアルバムを作ってもらっても大歓迎というのが正直な感想です。)

果たして、”Jim Kerr”の望み通り、「美しさ」と「力強さ」をこのアルバムで具現化するわけですが、このアルバムを聴いて見ると彼が表現したい音がどういうものなのかよくわかります。

なかなか自分たちの目指している音楽を言葉で表現することは並大抵なことではないと思います。


Simple Minds Up on the Catwalk 投稿者 Celtiemama

2曲目の”Book Of Brilliant Things”:明らかな変化です。

完全に力強さを手に入れました。

前奏のギターとドラムの音ですぐに実感することができると思います。

3曲目の”Speed Your Love To Me”:このアルバムのいや”Simple Minds”の最大の見せ場です。

これほど、美しさと力強さを兼ね備えた曲が他にあるでしょうか。

前作”New Gold Dream”から続く、”Simple Minds”の美しき音楽の世界の最高傑作となる曲であると確信します。

4曲目の”Waterfront”:ライブ会場で観客と盛り上げるほどの躍動感のある曲です。

“New Gold Dream”の曲は、甘美なメロディーで、うっとりと聴くような感じでしたが、この曲は、リズムにのって心躍らせるような雰囲気があります。

“Don’t You”を代表作にしてはいけない

このアルバムの後のシングル曲”Don’t You”が全米1位を獲得しました。

映画「ブレックファスト・クラブ」主題歌として使われ大ヒットしたわけですが、映画の主題歌でヒットした曲と言えば、同時期に発表された”OMD”の”If You Leave”を思い出します。

映画「プリティ・ピンク」(主題歌の方は、”Psychedelic Furs”の”Pretty In Pink”)で使われて、こちらもヒットしました。

>”OMD”に関する記事はこちらから

アメリカでの成功は、アーティストがそれだけ高く評価されたということで喜ばしいことなのですが、一方でアーティストが大衆に迎合することによって、それまでの魅力が薄れてしまうのではないかという不安を拭いきれません。

大衆が、”Simple Minds”に関心を持つことは結構ですが、”Simple Minds”が大衆に関心を持つことは決してよいことではないです。

それよりも、自分たちの音楽性について関心を持ち続けてほしいところです。

「”Don’t You”が”Simple Minds”の代表曲です。」とか、「”If You Leave”の”OMD”」などと言われるのは到底受け入れられません。

この2曲がそれぞれのバンドの魅力を十分に伝えているかと言えばそうではないからです。

“Simple Minds”の場合、”Don’t You”以降に発表されたアルバム”Once Upon a Time”で、これまでの魅力をまた見せてくれたので安心しました。

私にとって、”Simple Minds”の代表曲は、”Don’t You”では、決してなく、”Someone, Somewhere in Summertime”であり、”Speed Your Love to Me”であります。

>”Simple Minds”に関する記事はこちらから

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