“Spandau Ballet”4作目のアルバムです。
前作のアルバム”True”で、ファンク・ロックから、ポップ路線に移行していった”Spandau Ballet”でしたが、本作の”Parade”もその路線を引継ぎ、ロマンティックで恋をしたくなるような甘美の音楽が展開されます。
楽曲は、より美しく、曲の完成度も向上し、まさに黄金期を迎えています。
<曲目リスト>
- Only When You Leave
- Highly Strung
- I’ll Fly For You
- Nature Of The Beast
- Revenge For Love
- Always In The Back Of My Mind
- With The Pride
- Round And Round
サックスが味付けヴェルベット・サウンドの完成
1曲目の”Only When You Leave”:アルバムを代表するような楽曲の美しさ、”Tony Hadley”の歌声の魅力、”Steve Norman”の哀愁漂うサックスの音色は、このアルバムで、さらに磨きがかかっています。
加えて”Gary Kemp”(弟の”Martin Kemp”はベース・ギターを担当)のギターが、前奏で良いアクセントをつけています。
2曲目の”Highly Strung”:PVの舞台は、中国でしょうか。
京劇の衣装をまとった女性がでてきます。
“Duran Duran”の”Hungry Like the Wolf”のPVを思わせるエキゾチックな場所が舞台となっています。
そう言えば、PVに登場しているメンバーの衣装もどことなく”Duran Duran”のものに似ていますね。
曲の方は、映像と呼応してテンポの良い展開となっています。
“Steve Norman”のサックスも、いつもの哀愁漂う音色と言うよりは、軽快で小気味良いものとなっています。
3曲目の”I’ll Fly For You”:曲の前半部分は、”Gary Kemp”のギターと、”Steve Norman”のサックスで穏やかに始まります。
その前奏部分だけでも十分に、”Spandau Ballet”の魅力は十分に伝わってきます。
しかし、圧巻なのは、サビを含めた後半部分です。
出色のできの楽曲に、各楽器のメンバーのエネルギッシュな演奏が繰り広げられ、”Tony Hadley”の歌声にも力が帯びてきます。
1曲目の”Only When You Leave”とともに、”Spandau Ballet”の集大成ともなる名曲です。
5曲目の”Revenge For Love”:のりの良い曲で、”Revenge For Love”「愛の復讐」というドロドロしたタイトルのわりには、明るい曲調で、”Spandau Ballet”の華やかな演奏が楽しめます。
8曲目の”Round And Round”:郷愁を誘う美しいメロディに曲全体が包まれていて、ピアノの音も優しく響き渡り夢見るような音になっています。
そして、お約束通り、”Steve Norman”の哀愁漂うサックスが閉めてくれます。
“Spandau Ballet”ヴェルベット・サウンドの完成です。
極上サウンドとのお別れ
ファンク・ミュージックが取っつき難い音楽ファンでも、前作”True”と本作の”Parade” は、ポップでロマンティックな感じに仕上がり、幅広い音楽ファンに歓迎されるのではないでしょうか。
もう少しこの路線で何枚がアルバムを出していればと残念に思います。
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