“Simple Minds”の7作目のアルバムです。
“Don’t You”の全米1位のヒットで、ワールドワイドに市場を拡げた”Simple Minds”です。
前作の”Sparkle in the Rain”が発表された時に、前々作の”New Gold Dream”から比べて随分力強さが加わったと感じましたが、今考えると本作の”Once Upon a Time”のパワー・アップとは比較になりません。
それほど、今回の変化は目を見張るものがあります。
<曲目リスト>
- Once Upon A Time
- All The Things She Said
- Ghost Dancing
- Alive And Kicking
- Oh Jungleland
- I Wish You Were Here
- Sanctify Yourself
- Come A Long Way
全米1位獲得の実績、みなぎる自信
1曲目の”Once Upon A Time”:全米1位を獲得した”Don’t You”の影響でしょうか、曲調がやや明るくなった印象です。
キーボードの音も随分と軽やかな音に変わっているようにも思えます。
それとともに、”Jim Kerr”の歌声にも活力がみなぎっているような気がします。
2曲目の”All The Things She Said”:”Simple Minds”の新しい試みが随所に見られます。
まず、前奏でギターに光があたっています。
しかし、今後の”Simple Minds”のギターの占める割合いを考えたら、まだまだ序の口です。
そして、女性バック・ボーカルの起用。
しかし、最も驚くのは、かつてないほどの曲調の変化です。
この変化が、今後の”Simple Minds”の音楽の広がりを約束してくれました。
4曲目の”Alive And Kicking”:壮大で、美しい曲です。
私個人的には、”Don’t You”はるかに凌ぐ力作だと思います。
間奏のピアノが驚くべき甘美のメロディを奏でています。
7曲目の”Sanctify Yourself”:ベース・ギターが迫力のあるリズムを刻みます。
これほど力強い”Simple Minds”が、かつてあったでしょうか。
ギターの唸り声も過去最大級です。
こんな力強さを誇示した”Simple Minds”もまたいいもんです。
8曲目の”Come A Long Way”:前作のアルバム”Sparkle in the Rain”の余韻も残しながら、ギターの音などは、アメリカ市場も意識したもののように思われます。
多少、キーボードやギターの音色の色彩が明るくなっても、”Simple Minds”の持ち味の叙情的な美しいメロディはいつまでも保持していてほしい部分です。
アメリカ進出後も、甘美のメロディは健在
“Don’t You”が、全米No.1を獲得したとき、我が愛すべきバンドの”Simple Minds”が世界的に評価された嬉しさ半分、あまりアメリカナイズして欲しくないという不安が半分ありました。
しかし、全米No.1の自信による力強さを得ることはあっても、核となる”Simple Minds”の甘美なメロディは失ってないことに安堵感を覚えました。
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