【洋楽】おすすめのアルバム”Non-Stop Erotic Cabaret” : “Soft Cell”(ソフト・セル)

Soft Cell(ソフト・セル)のデビュー・アルバムです。

“Soft Cell”は、黒人女性歌手の”Gloria Jones”:「グロリア・ジョーンズ」が1964年に発表した”Tainted Love”のカバーで、全英だけでなく、全米のチャートを賑わせました。

本作”Non-Stop Erotic Cabaretは、”Tainted Love”を含めた”Soft Cell”の独自の視点でとらえた愛の歌が、まさに「ノン・ストップ」で続きます。

そして、このアルバムが日本で紹介された時に、各曲に付けられた邦題に注目してほしいと思います。

同性愛やドラッグなど退廃的なテーマを文学的な歌詞にのせて歌う”Marc Almond”:「マーク・アーモンド」の心意気を邦題に込めています。

<曲目リスト>

  1. Frustration: 「フラストレーション」
  2. Tainted Love: 「汚れなき愛」
  3. Seedy Films: 「三流映画」
  4. Youth: 「ユースは去った」
  5. Sex Dwarf: 「セックス小人の誘惑」
  6. Entertain Me: 「操り人形」
  7. Chips on My Shoulder: 「肩の傷」
  8. Bedsitter: 「ベッドの上が僕の国」
  9. Secret Life: 「秘密ゲーム」
  10. Say Hello, Wave Goodbye: 「さよならと言って別れて」

倒錯した愛から王道の愛まで

1曲目の”Frustration”: 「ふらっ ふらっ フラストレレレーショーーーン」とまさにフラストレーションをおもいっきりため込んだ”Marc Almond”が叫び声が、デビュー・アルバムのファンファーレ代わりです。

叫び声の後は、鬱積した想いが吹っ飛ぶような軽快なキーボードの心地良いリズムが刻まれ、エレクトリック・ポップとは思えないようなサックスの音が際立っています。

歌詞に”Elvis Presley”:「エルヴィス・プレスリー」まで飛び出し、”Marc Almond”の世界が広がっていきます。

エンディングには、小鳥のさえずりが流れ、フラストレーションが解消され癒されていくのでしょうか。

2曲目の”Tainted Love”: “Soft Cell”を一躍有名にした代表曲です。

“Tainted Love”は邦題では、「汚れなき愛」となっています。

ソング・ライターでありボーカルの”Marc Almond”:「マーク・アーモンド」は、自らゲイであることを公言しています。

日本でのタイトルが、「汚れなき愛」と知ったら、”Marc Almond”は苦笑いするでしょう。

「汚れなき?愛」というタイトルの方がしっくりくるでしょう。

もしくは、今風の表現をするならば、「汚れなき((^O^))愛」でしょうか。

しかし、考えようによっては、世俗的な「駆け引き」や、「何かの代償を求めての愛」よりも、”Marc Almond”のように世間的には倒錯した愛と言われていても、本能のままに純粋に愛を求めている方が「汚れなき愛」なのかも知れません。

6曲目の”Entertain Me”: この曲の「はじけ具合」から、アルバムの”Non Stop Erotic Cabaret”のイメージをもっとも良く表現している曲と言えるかも知れません。

華やかな曲調の中にも、退廃的で刹那的な雰囲気が十分に伝わってきます。

7曲目の”Chips on My Shoulder”: エレクトリック・ポップ特有のピコピコしたサウンドが、とびきりノリの良いリズムから繰り出されます。

高速のキー・ボードの奏法が否が応でも気分を高揚させます。

8曲目の”Bedsitter”: 退廃的で文学的な歌詞に注目されがちですが、この”Bedsitter”の楽曲は、”Soft Cell”作品の中でも、卓越した出来です。

ギターのフレーズが耳に残る会心の一曲です。

10曲目の”Say Hello, Wave Goodbye”: “Soft Cell”の数少ない正当派のラブ・ソングです。

美しいメロディーが、”Marc Almond”の切ない歌声とともに心に響く作品です。

芸術的なエロティズムを感じる

今では、性的マイノリティーという言葉があるほど、同性愛に関しては、ひとりの人間の個性として尊重されつつありますが、当時、自らを「ゲイ」と公言して、音楽活動をすることは大変な困難が伴ったことと思います。

その困難を克服して、自らの愛と音楽を貫き通した”Marc Almond”に敬意を表します。

本作のアルバム・タイトル”Non-Stop Erotic Cabaret”の”Erotic”という表現に、「好色な」、「色情的な」というニュアンスをあまり感じません。

むしろ、”Marc Almond”の知的で文学的、芸術的なセンスを感じます。

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