“Simply Red”の3作目のアルバムです。
卓越した”Mick Hucknall”のボーカルが、ソウルフルでファンキーな曲でも、しっとりとしたバラードでも良く合います。
1作目や2作目のソウルフルで泥臭い印象から、洗練された音へと変遷していくのが、本作の特徴です。
そして、楽曲のさらなる向上が、あの大ヒットアルバム”Stars”へと繋がっていくのです。
<曲目リスト>
- It’s Only Love
- A New Flame
- You’ve Got It
- To Be With You
- More
- Turn It Up
- Love Lays Its Tune
- She’ll Have To Go
- If You Don’t Know Me By Now
- Enough
卓越したボーカル、熟達した演奏者たち
1曲目の”It’s Only Love”: “Mick Hucknall”の歌声が見事なのは言うまでもないですが、ミュートを付けたトランペットで始まり、小気味良いギターなど各楽器の演奏がふるっています。
ソウルフルな上質な音楽を聴かせてくれます。
“Simply Red”は、ボーカルの”Mick Hucknall”以外のメンバーは、あまり固定されていませんが、ライブでもいつも感じるのは、各パートの演奏者がみな熟達した演奏技術を持っているということです。
2曲目の”A New Flame”: “Simply Red”の曲は、ソウルフルでありながら、泥臭さをあまり感じさせず、むしろ洗練された響きがあります。
この”New Flame”も例外ではなく、楽曲の良さ、演奏技術の高さ、”Mick Hucknall”の卓越した歌唱力が相乗効果を生み、傑出した作品に仕上がっています。
3曲目の”You’ve Got It”: バラードを歌わせても、”Mick Hucknall”の歌声は一級品です。
間奏のサックスもさりげなく心地良いメロディーを奏でたら、すぐさま”Mick Hucknall”へバトン・タッチします。
いつまでも、サックスのソロに酔いしれたりすることもなく潔い演奏ですね。
7曲目の”Love Lays Its Tune”: 美しい。あまりにも美しい曲です。
“Mick Hucknall”の歌声も、甘く、どこまでも甘くせつなく響きます。
噛めば噛むほど味が出る深遠な曲です。
9曲目の”If You Don’t Know Me By Now”: “Harold Melvin”(ハロルド・メルヴィン)率いる”The Blue Notes”のカバー曲です。
全米№1を記録するなど、オリジナル曲以上の大ヒットを飛ばすところが、”Simply Red”の偉大なところです。
カバーの帝王と呼ばれている所以でしょう。
(誰も呼んでいない?)
10曲目の”Enough”: さらりと淡々と歌っているように見えますが、”Mick Hucknall”の卓越した歌唱力の成せる技です。
穏やかな落ち着いた雰囲気の中で、各楽器の独奏が披露されます。
なかでも、間奏のピアノやソプラノ・サックスの独奏は、この曲の魅力の一つではないでしょうか。
卓越したボーカル、熟達した演奏者たち
本作”New Flame”を聴いて見ると、次作の”Stars”の大ヒットが偶然ではなく、必然ということがよく理解できるでしょう。
また、”New Flame”で、すでに、楽曲の質の高さ、”Mick Hucknall”の歌唱力の高さ、各演奏者たちの演奏技術の高さが、かなりの到達点にあることがわかるでしょう。
“Simply Red”が玄人好みのバンドであるのが頷けます。
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