【洋楽】おすすめのアルバム”Music for the Masses” : “Depeche Mode”(ディペッシュ・モード)

洋楽アルバム紹介

“Depeche Mode”の6作目のアルバムです。

“Music for the Masses”:「大衆向けの音楽」。

「絶対に本意ではない。」と思います。

額面通りにとっては、いけないと感じています。

本作では、”Depeche Mode”の音楽は芸術の域に達しています。

芸術家が、この作品は「大衆におもねいて作ったものです」なんていうことがあるでしょうか。

彼らの音楽が、もっとも大衆的だったのは、デビュー・アルバムの”Speak & Spell”です。

それ以降、大衆を意識した音などは、作っていません。

それとは、裏腹に大衆から支持されていることは、曲げようのない事実です。

本作、”Music for the Masses”は、大衆に媚びているわけではありませんが、”Martin Gore”の卓越した作曲能力が、至極のメロディーを持つ数多くの曲をまた誕生させました。

<曲目リスト>

  1. Never Let Me Down Again
  2. The Things You Said
  3. Strangelove
  4. Sacred
  5. Little 15
  6. Behind The Wheel
  7. I Want You Now
  8. To Have And To Hold
  9. Nothing
  10. Pimpf
  11. Agent Orange
  12. Never Let Me Down Again (Aggro Mix)
  13. To Have And To Hold (Spanish Taster)
  14. Pleasure, Little Treasure

怒涛の上質メロディーに陶酔必至

1曲目の”Never Let Me Down Again”: 本作”Music for the Masses”は、極上のメロディー・ラインを持つ曲が数多くあります。

なかでも、この”Never Let Me Down Again”は、出色の出来です。

淡々とした曲調でありながら、曲途中のサビの部分(どこがサビなのかわかりにくいですが・・・)などは、トリップしそうなくらい、危うさと美しさを感じさせます。

12曲目にも”Never Let Me Down Again (Aggro Mix)”という同曲の別バージョンが収録されています。

恐ろしくかっこよくアレンジされていますので、そちらもお聴き逃しなく。

この曲を筆頭に、アルバム前半に、たたみかけるように美しい曲が続きますので覚悟しておいてください。

2曲目の”The Things You Said”: 前々作のアルバム”Some Great Reward”に収録されている”People Are People”や”Master and Servant”のような強烈な印象の曲は、この”Music for the Masses”には、あまりおめにかかりませんが、この”The Things You Said”のように、きらりと光る秀逸な作品には事欠きません。

“Music for the Masses”「大衆向けの音楽」ではありませんが、耳の肥えた音楽ファンをも唸らせる至極のメロディーがそこはかとなく漂ってきます。(もちろん、当の”Depeche Mode”は、緻密な計算ずくですが・・・)

3曲目の”Strangelove”: 印象的な前奏とわかりやすいポップな感覚の曲調は、一見捉えどころのない”Music for the Masses”の曲群の中では際立った存在の曲でしょう。

4曲目の”Sacred”: 前半に、こうも優れた楽曲を並べてくるとは、”Martin Gore”の作曲能力には、恐れ入ります。

“Depeche Mode”のアルバム随一の怒涛のライン・アップではないでしょうか。

6曲目の”Behind The Wheel”: ライブでも良く演奏される曲です。

否が応でも、盛り上げらないわけにはいかないでしょう。

時折、控えめなダンス・パフォーマンスを見せながら淡々と歌う”Dave Gahan”と黙々と演奏を続けるメンバーと、熱狂的な観衆の対比が面白いです。

9曲目の”Nothing”: これぞ、”Depeche Mode”の真骨頂です。

ひとつひとつの音を取り出して、並べて聴いてみたところで、およそ芸術的な音とは程遠いのですが、それを組み合わせて一つの音楽に重ね合わせてできた曲は、唯一無二の”Depeche Mode”のきらびやかな産物です。

10曲目の”Pimpf”: さきほどとは、真逆のことを言います。

伝統的な楽器(ピアノ)を使って、混沌とした音を作り上げています。

“Music for the Masses”:「大衆向けの音楽」とは、かけ離れています。

興味深い試みです。

次作の”Violator”でも、傑作の曲と曲の間に、チラチラと挟み込んでいます。

実験的な曲の中にも、未来の名曲につながるヒントが隠されているのでしょうか。

14曲目の”Pleasure, Little Treasure”: “Everybody’s Looking for a Reason to Live”「誰もが生きる意味を探している」

“I’ve a Reason to Give”、”Pleasure, Little Treasure”「それなら、僕が持っているよ」

生きる意味とまではいかなくても、少なくとも”Depeche Mode”の音楽は、大衆に生きる悦びを与えてくれることと思います。

“Little Trasure”とは、随分控えめな表現ですね。

大衆の方が媚びてくる”Depeche Mode”ワールド

あまりの芸術的な作品の質の高さに、大衆の方から自然と媚びてくるのではないでしょうか。

そう言う意味では、”Music for the Masses”あながち、逆説的なアルバム・タイトルとは言えないかも知れません。

次作は、商業的にも成功した名曲揃いの”Violator”です。

ますます、我々大衆は、”Depeche Mode”の音楽に釘付けになることでしょう。

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Music for the Masses

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