“Blur”の2作目のアルバムです。
どこか取っつき難い雰囲気のファースト・アルバムから一転して、伝統的な英国ロックのシニカルで、一方でメロディアスな親しみやすい曲調に仕上がっています。
前作の”Leisure”は、アルバム・ジャケットはとてもインパクトのあるジャケットでした。
「今いくよ・くるよ」の「くるよ師匠」を彷彿させるぱっちり眼の女性ほど、アルバムの内容は強烈な印象を残してはいません。
出典:Amazon
セカンド・アルバムは、伝統的な英国ロックへの回帰ということだけでなく、”Blur”にしか出せない独創性の発揮し、ブリットポップの礎を築き、これから始まる快進撃の口火を切ったアルバムとなるのです。
<曲目リスト>
- For Tomorrow
- Advert
- Colin Zeal
- Pressure On Julian
- Star Shaped
- Blue Jeans
- Chemical World (Includes Hidden Track ‘Intermission’)
- Sunday Sunday
- Oily Water
- Miss America
- Villa Rosie
- Coping
- Turn It Up
- Resigned (Includes Hidden Track ‘Commercial Break’)
- Resigned
- Commercial Break
至極の英国ロック ”Blur”節炸裂!
1曲目の”For Tomorrow”: この曲一曲だけで、前作のデビュー・アルバム”Leisure”からの楽曲のクオリティーの進歩が実感できます。
“Blur”独特の匂いがぷんぷんする一方で、キャッチーなメロディーは一級品です。
コーラスの”La La La La ?~”というところも、”Blur”特有のアクセントで、その後のギターのフレーズも英国ロックぽくってイカしています。
5曲目の”Star Shaped”: “Wash with New Soap behind the Collar”「新しい石鹸で、襟の裏を洗って」という歌詞に、曲調とは正反対の生真面目さを感じます。
続く、”Keep a Clean Mental State”「(そうやって)精神状態をきちんと保つのさ」という歌詞に、”Blur”(「よごれ」、「ぼんやりとした」の意)と”Clean”の対比が感じられます。
はちゃめちゃで自由奔放に見える彼らの音楽が、意外と緻密で理路整然とした精神性の上で成り立っているのかもしれません。
6曲目の”Blue Jeans”: “Damon Albarn”が淡々と歌う中にも、”Blur”にしか表現できない独特の世界があります。
7曲目の”Chemical World”: これぞ、英国ロックのギターとも言うべき”Graham Coxon”のギター・ワークです。
“Damon Albarn”の歌声が曲の進行とともに巧みに変化していきます。
メロディーも正当派英国ロックの流れを組みながらも、”Blur”固有のオリジナリティー溢れる秀逸なものです。
まさに、”Blur”World全開の、会心作です。
8曲目の”Sunday Sunday”: “Blur”しか作りそうもない曲ですが、どこか英国ロックの懐かしい響きも感じます。
“The Beatles”の”Sergeant Pepper’s Lonely Hearts Club Band”や、”XTC”などを連想させる曲調です。
こうやって、英国ロックの伝統は脈々と受け継がれていくのでしょう。
11曲目の”Villa Rosie”: 前奏から、最初の歌いだしまで、かなりへんてこりんで、”Blur”らしいと言えば、”Blur”らしいのですが、そこは、本質的には生真面目な”Blur”のことですから、サビの部分など要所はしめています。
ギター・ワークもツボを押さえた英国ロックの堅実なプレーです。
おまけまで美味しい
おまけのようについてくる”Popscene”と”Young and Lovely”が収録されているアルバムを購入することをおすすめします。
特に、”Young and Lovely”は、秀逸で、この曲をアルバムにいれない手はないですね。
“For Tomorrow”や”Chemical World”にも負けない魅力的な楽曲です。
エンディングの2つのフレーズが重なる部分は、至福の時です。
最後の最後まで楽しめる曲です。
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