“Sade”5作目のアルバムです。
余分なものを全て削ぎ落とした研ぎ澄まされた音です。
流行など目もくれず自分たちの音楽を追求した結果、ロックやジャズにも属さない”Sade”という独自のジャンルを築き上げました。
<曲目リスト>
- By Your Side
- Flow
- King Of Sorrow
- Somebody Already Broke My Heart
- All About Our Love
- Slave Song
- The Sweetest Gift
- Every Word
- Immigrant
- Lovers Rock
- It’s Only Love That Gets You Through
研ぎ澄まされた音 艶やかな歌声
1曲目の”By Your Side”:夢見るような安らぎを感じる曲です。
飾ることもせず、メロディーの美しさは自然とにじみ出てきます。
“Sade Adu”の艶やかな歌声が静かに響き渡ります。
2曲目の”Flow”:楽器の構成もギターとドラムのいたってシンプルなもので、静かに流れるような歌声が心に染みます。
ライブでは、心躍るようなリズムで、バック・コーラス(バック・ダンサーとも言うべき)とともに楽しそうにステップを踏む”Sade Adu”の姿が印象的でした。
3曲目の”King Of Sorrow”:1曲目の”By Your Side”に並ぶ楽曲の美しい曲です。
哀愁漂うメロディーは、次作のアルバム”Soldier of Love”の”Babyfather”に通じるものがあります。
6曲目の”Slave Song”:パーカッションの鮮烈なリズムが印象的な曲です。
歌詞に悲痛の叫びが感じられます。
8曲目の”Every Word”:アコースティック・ギターのつま弾く音が、曲の全編に渡り心地良く響き渡ります。
それに呼応するかのように”Sade Adu”のしっとりとした歌声が曲全体を包みこみます。
そのどちらの音も互いに邪魔することもなく、お互いを補完して良い関係を保っています。
余分な音がない分、厳選された音同士の調和はこれ以上ないほど均衡が取れています。
10曲目の”Lovers Rock”:「恋人たちのロック」です。
かくも、穏やかで、美しいロックがあるでしょうか。
大人の恋人たちには、”Sade”の上質な音楽に耳を傾け、寄り添うだけで多くの言葉は必要ないでしょう。
同様に、厳選された”Sade”の音には、多くの楽器で飾り立てる必要がないのに違いありません。
“Sade”の音楽が流れると、そこには、上質で満ち足りた空間が出来上がります。
流行りの音には目もくれず、自分たちの音に注力!
このアルバム”Lovers Rock”が、リリースされるまでには、8年の歳月が必要でした。
妥協を許さない厳選された音づくりをする”Sade”のことですから、その寡作ぶりも無理もないことでしょう。
流行りの音楽を追い求めたり、単に耳に心地良いが心に響かないような薄っぺらい曲を量産しても意味がないという信条なのでしょう。
多くの曲を矢継ぎ早に聴くよりも、限られた厳選された曲をじっくり味合う方が、”Sade”の接し方としては望ましいのかも知れません。
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