“Simply Red”5作目のアルバムです。
前作”Stars”の大ヒットの後で、肩の力が抜けて余裕すら感じる”Simply Red”の自信作です。
(もしかしたら、「肩の力が抜けた」とか、思っているのは、我々リスナーの方で、”Mick Hucknall”自身は、前作のヒットとは関係なく、自分の納得いく音楽を作り続けているからこそ、これだけの作品を残しているのかも知れません)
アルバムの雰囲気ももジャケット通りの、清々しく落ち着いた印象の曲が多く、統一感があります。
曲の完成度も高く、どの曲も洗練されています。
<曲目リスト>
- You Make Me Believe
- So Many People
- Lives And Loves
- Fairground
- Never Never Love
- So Beautiful
- Hillside Avenue
- Remembering The First Time
- Out On The Range
- We’re In This Together
リスナーの期待を裏切らないシンガー
2曲目の”So Many People”:”Mick Hucknall”美しいメロディーにのせて、さらりと歌っています。
この「さらり」と言うのが、曲者で、並の歌手だと淡白で味気なくなるところでしょうが、卓越した歌唱力の持ち主、”Mick Hucknall”は、曲の良さを見事に引き出しています。
余裕で歌っていても、リスナーの期待を裏切るようなことはしません。
4曲目の”Fairground”:このアルバムのハイライト曲です。
軽快なサウンドを支えているのは、精密機械のようなドラムスの仕業です。
安心して、心地良いリズムに身を任せることができます。
5曲目の”Never Never Love”:”Mick Hucknall”の歌唱力全開です。
甘いささやきのような歌声で、うっとりとした気分にさせてくれます。
6曲目の”So Beautiful”:曲名通りの美しい曲です。
落ち着いた歌いぶりで、聴く者を優しい気持ちにさせてくれる曲です。
7曲目の”Hillside Avenue”:しっとりとした曲が多いこのアルバム中で、異色の作品です。
レゲエ調のリズムで、アルバムの中のアクセントとなっています。
ただ、このレゲエのリズムで単に奇をてらったものではなく、レゲエ調の曲でも泥臭さはなく、随分と洗練された曲となっています。
8曲目の”Remembering The First Time”:楽曲の素晴らしさが際立つ名曲です。
軽快なリズムと美しいメロディーを併せ持つ名曲を名シンガーが歌う極上の組み合わせです。
次のアルバムも乞うご期待
全体として、洗練されていますが、初期の”Simply Red”ファンで、もう少しソウルフルなところがあってもと、感じた方もいると思います。
そこは、安心して下さい。
次作の”Blue”では、そのへんのところもぬかりはありません。
“Simply Red”というバンドは、エンターテイメントというのがよくわかっているバンドだと思います。
ある方向に一時振れても、それ一辺倒にならず、リスナーを飽きさせることはありません。
(しかし、それも、”Mick Hucknall”の商業的な計算からではなく、彼の自然の感性がなせる業かもしれません)
それでは、次作の”Blue”を、乞うご期待。
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