【洋楽】おすすめのアルバム”Jupiter Calling” : “The Corrs”(コアーズ)

“The Corrs”の7作目のアルバムです。

10年間の活動休止状態から、活動を再開したのが2015年にリリースされた前作の”White Light”でしたから、再開後の第2弾は、大方のファンの予想をいい意味で裏切る短いスパンでの新作発表だったと思います。

アルバム制作期間が短かったのにも関わらず、休止期間中の各メンバーの創造力は熟成されていたのか、各楽曲は、とても奥深い内容になっています。

アルバム・タイトルの”Jupiter Calling”の”Jupiter”(ジュピター)は、ローマ神話の天空を司る守護神「ユーピテル」の英語読みで、”Jupiter Calling”とは、直訳すると「(ローマ主)神のお召し」となります。

アルバムの最初の曲”Son of Solomon”は、魔術王とも言われた古代イスラエルの王である「ソロモン王」のことを歌っていますし、最後を飾る”The Sun and The Moon”は、文字通り天空のことを語っています。

そして、最初の曲”Son of Solomon”と最後の曲の”The Sun and The Moon”は、曲の主題、曲調からいっても対になっているアルバムのコンセプトを決定づける重要な曲になっています。

ソロモン王の”Solomon”という言葉は、”Sole=「太陽」+”Moon”=「月」を意味するものと思えてくるのは私ひとりだけでしょうか。

そして、”Jupiter”、一般に「木星」を指す言葉ですが、もともとは、「雷神」で、転じて天空を司る神と言われています。

本作のアルバム”Jupiter Calling”は、天空を馳せる壮大な想いが込められているように思われます。

こうした重厚なテーマであっても、”The Corrs”が奏でる楽曲は、心地良く美しいものです。

美しいメロディーにのって、深遠で、神秘的な世界を堪能してみてはいかがでしょうか。

<曲目リスト>

  1. Son of Solomon
  2. Chasing Shadows
  3. Bulletproof Love
  4. Load to Eden
  5. Butter Flutter
  6. SOS
  7. Dear Life
  8. No Go Baby
  9. Hit My Ground Running
  10. Live before I Die
  11. Season of Our Love
  12. A Love Divine
  13. The Sun and The Moon

“The Corrs”の深遠で、神秘的な世界

1曲目の”Son of Solomon”: “The Corrs”の活動再開後第2弾のアルバム”Jupiter Calling”のメイキング・ビデオを見て、あれと思ったのは、ボーカルの三女”Andrea Corr”が、「ウクレレ」を抱えていることです。

アイリッシュ音楽に、ハワイアンの楽器「ウクレレ?」と思いましたが、それよりも従来から多用されている”Tin Whistle”が、”Sharon Corr”のバイオリンとともに、この曲でも効果的に使われているのが印象的でした。

“Solomon”(古代イスラエルの)「ソロモン王」のことを題材としている曲ですが、間奏のバイオリンとティン・ホイッスルによる演奏は悠久の歴史を思わせる雰囲気が漂ってきます。

3曲めの”Bulletproof Love”: 1曲めと2曲目とアコースティックなサウンドを基調とした曲が続き、このアルバムは、アコースティック・アルバムかと心配した(心配することはないのですが・・・)やさきに、兄の”Jim Corr”の小気味の良いエレクトリック・ギターの音色が響いたところで安堵しました。

“Bulletproof”:「防弾: 弾丸+守る」という意味で、”Bulletproof Love”「防弾の愛」というと随分力強い愛と思われるかも知れませんが、民族紛争やテロ事件など戦火が絶えない状況を憂い、平和を勝ち取るためには、「愛」の力が必要だという”The Corrs”からのメッセージです。

紛争に悩まされ続けたアイルランド出身アーティストに共通する思いなのかも知れません。

“U2″の”Sunday Bloody Sunday”、”The Cranberries”の”Zombie”に共通するものを感じます。

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5曲目の”Butter Flutter”: 曲の雰囲気、ライブ演奏時の照明の色といい、完全にサード・アルバム”In Blue”の世界です。

ただ、”In Blue”との違いは、ボーカルの”Andrea Corr”の成熟により、より曲の雰囲気に馴染んできているということです。

ステージ上の彼女の歌いぶりに艶やかさを感じることでしょう。

姉の”Sharon Corr”のバイオリンのしっとりとした艶やかな音色ともとてもマッチしています。

6曲目の”SOS”: 曲中に、アルバム・タイトルの”Jupiter Calling”の歌詞が含まれていることから、実質的にこのアルバムの表題曲と言えそうです。

冒頭でもふれたボーカルの”Andrea Corr”が抱えている「ウクレレ」がライブ映像では披露されていますが、
曲との関わりについては依然として、謎が深まります。

7曲目の”Dear Life”: アコースティック・ライブを収録したアルバム”MTV Unpluged”でも披露してくれた
“The Corrs”のアコースティックの世界です。

アルバム全体にアコースティックなサウンドに重きを置いた点が感じられますが、中でも、この”Dear Life”には、”The Corrs”にしか出せないようなアイリッシュの伝統的な世界が広がっています。

もちろん、そこには、”Sharon Corr”のバイオリンと”Andrea Corr”のティン・ホイッスルは欠かせない存在です。

9曲目の”Hit My Ground Running”: アルバム収録曲の中で、私の一番のお気に入りの曲がこの”Hit My Ground Running”です。

ちょっとセンチメンタルでノスタルジックな曲調は、セカンド・アルバムの”Talk on Corners”でもたっぷりと聴かせてくれた”The Corrs”の独特のメロディー・ラインを彷彿させます。

“Hit the Ground”は、文字通りに訳すと「地面に落ちる」ですが、”Hit The Ground Running”となると、「全力で取り組む」というポジティブな意味に変わってきます。

“Hit the Road”「(勢いよく)出かける、出発する」というように、”Hit”は思い切ってやるというニュアンスがあります。

そういえば、この曲にも、センチメンタルな雰囲気の中にも、力強く生き抜こうという決意のようなものが感じられます。

神のお召しとは?

アルバム・タイトルの”Jupiter Calling”は、「神のお召し」という意味がありますが、”Calling”のもうひとつの意味は、「天職」です。

“Jupiter Calling”という言葉は、アルバム収録曲の”SOS”に出てきます。

“SOS”というのは、船舶用無電の、救いを求める信号で、モールス符号で”—…—“となり覚えやすく緊急時に打ちやすいことから”SOS”となっています。

また、”Save Our Ship”(我が船を救え)の略だと言われることもあります。

“Our Ship”=(”The Corrs ファミリー号)の”Calling”(天職)は、彼らの音楽を通じて聴衆の魂を救う”Save”ことなのかも知れません。

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