“Thompson Twins”4作目のアルバムです。
前作”Quick Step & Side Kick”の中の”Love On Your Side”の音を踏襲し、さらに発展させた曲が並びます。
これぞ、”Thompson Twins”と言えるような、最も”Thompson Twins”の個性が際立ったアルバムだと思います。
代表曲である”Hold Me Now”も収録されていて、きらびやかな”Thompson Twins”ワールドが全編に渡って展開されています。
<曲目リスト>
- Doctor! Doctor!
- You Take Me Up
- Hold Me Now
- Day After Day
- No Peace For The Wicked
- The Gap
- Sister Of Mercy
- Storm On The Sea
- Who Can Stop The Rain
木琴は、鍵盤打楽器?
1曲目の”Doctor! Doctor!”:前作のアルバム”Quick Step & Side Kick”では、”Lies”をはじめとして、様々な音を披露してくれが”Thompson Twins”でしたが、その中でも、”Love On Your Side”が今後の彼らの音を象徴する曲になってくるのは間違いないでしょう。
その流れの音を引き継いだのが、この”Doctor! Doctor!”でしょう。
彼らの音の最大の特徴は、その独特のリズムにあるでしょう。
そこで重要な役割を果たしているのが”Alannah Currie”のパーカッションです。
時折り、見せる巧みな木琴の演奏が、本当にいいスパイスとなっています。
2曲目の”You Take Me Up”:”Joe Leeway”が吹くハーモニカで始まるこの曲も、リズムが重要であることには変わりありません。
この曲でも、”Alannah Currie”の木琴(「木琴」も楽器の分類上、「鍵盤打楽器」に分類され、打楽器の仲間なのですね。そう言う意味では”Alannah Currie”は打楽器全般を担当しています)が大活躍です。
リズム・バンドの面目躍如、のりのりのリズム全開の曲です。
3曲目の”Hold Me Now”:”Thompson Twins”の代表曲です。
軽快なリズムなのに、切ないほど美しい曲です。
(このリズムによくもこんなに美しいメロディーをのせましたね)
歌詞が何といっても切ないですよね。
泣きそうになります。
“Tom Bailey”見た目はファショナブルですが、かなり繊細な人です。
6曲目の”The Gap”:前作”Quick Step & Side Kick”の中でも、時折見せた東洋的なメロディーが随所に見え隠れする曲です。
彼らの曲に、”Tokyo”とか”Kamikaze”などがありますが、案外「日本びいき」なのかも知れません。
ただし、中国の音楽やアラビアの音楽等、東洋的な音と一括りにしているきらいがありますので、正しい日本文化を発信していく必要があると思います。
7曲目の”Sister Of Mercy”:”Thompson Twins”の個性を発揮しながらも、普遍的な美しさを併せ持った曲です。
メロディーが美しく、軽快なリズムがさらに曲の魅力を高めています。
私個人では、”Hold Me Now”を抑えて、このアルバムのベスト・ソングです。
このアルバムで、”Thompson Twins”の個性が十分に発揮され、彼らの魅力がたっぷりと詰まったものとなりました。
その後、”Here’s to Future Days”や”Close to the Bone”とヒット曲を数多く持つアルバムを発表します。
独特のリズムは影を潜めるも、楽曲の魅力は向上
楽曲の素晴らしさにさらに磨きがかかり、曲の魅力はますます増していくのですが、彼ら特有のリズムが段々と影を潜めていくのは少々残念な気がします。
とは言っても、曲の出来は数段進歩したのでそれを差し引いても”Thompson Twins”の魅力は色褪せることはないでしょう。
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