“Matt Bianco”3作目のアルバムです。
前作のアルバム”Matt Bianco“は、2作目にしてまさかのセルフ・タイトルでした。
デビュー・アルバムの”Whose Side Are You on“の発表後に、”Basia Trzetrzelewska”と”Danny White”が脱退し、新生”Matt Bianco”として新たなスタートという決意の表れだったのでしょうか。
そして、3作目の”Indigo”は、”Matt Bianco”の前身である”Blue Rondo a La Turk“のファンク、ラテン・ミュージックの流れをくむ軽快で、心踊るようなサウンドになりました。
<曲目リスト>
- Don’t Blame It On That Girl
- Nervous
- Slide
- Say It’s Not Too Late
- Wap Bam Boogie
- Good Times
- R & B
- Hanging On
- Jack Of Clubs
- Indigo
- Don’t Blame It On The Girl (12” Mix)
- Good Times (Miami Mix)
じっとしているのが酷なほどダンサンブル!
1曲目の”Don’t Blame It On That Girl”: のっけから、”Matt Bianco”らしい、ダンサンブルなナンバーです。
バック・コーラスの女性の声が、”Basia Trzetrzelewska”の歌声になんだか似ているような気がします。
やはり、”Basia”たちが去った”Matt Bianco”の方が、”Blue Rondo a La Turk”の真の継承者だったようです。
“Basia”たちの音楽と、音楽のジャンルや演奏している楽器も同じなのに、これほど音に違いが出るとは、やはり目指している音楽性が随分違っていたのだと改めて感じます。
4曲目の”Say It’s Not Too Late”:スローなナンバーも、実にクールに決めてくれます。
別にノリノリの曲でなくても、こうした落ち着いた曲調でも”Matt Bianco”の魅力は十分に伝わってきます。
5曲目の”Wap Bam Boogie”:思いっきりファンキーな曲です。
と思いきや、楽器の使い方は結構、繊細ですね。
ピアノの音も軽やかなメロディーを奏でていて、激しいリズムにいいアクセントを加えています。
6曲目の”Good Times”:”Don’t Blame It On That Girl”が前半のハイライトならば、”Good Times”は、後半の山場です。
ホイッスルが、軽快で心踊るようなリズムの曲の始まりを告げます。
思わず、ボーカルの”Mark Reilly“も踊りながら歌っています。
あなたも、踊りたくなる衝動にあらがう必要はありません。
「いなかっぺ大将」の「風大左衛門」でなくてもこの曲を聴いたら、踊らずにはいられなくなるでしょう。
9曲目の”Jack Of Clubs”:「好きです!」こういう曲。
「こういうのってどういうの?」と聞かれても返答に困りますけど、気負わずにさらっと歌い上げた曲で、センスを感じさせる曲です。(やはり、表現するのは難しいです。)
ピアノの伴奏がすごくお洒落れで決まっています。
10曲目の”Indigo”:”Wham!“の”Bad Boys“でも始まったのかと錯覚をする出だしです。
表題曲でもあり、アルバム・ジャケットの色彩を表現しています。
恐らく、”Mark Reilly”のこのアルバム全体のイメージは、”Indigo”(藍色)の渋かっこいい世界観なのでしょう。
それぞれの道を歩む”Matt Bianco”と”Basia”
デビュー・アルバム発表後に、分裂したような形で”Matt Bianco”と”Basia”(”Basia Trzetrzelewska”と”Danny White”)は、それぞれの音楽活動を進めてきたわけですが、両陣営ともいいスタートが切れたと思います。
それぞれの2作品(”Basia”の”Time And Tide“、”London Warsaw New York“の2作品、”Matt Bianco“の”Matt Bianco”(セルフ・タイトル)、”Indigo“の2作品)を聴いてみると、それぞれのバンドの目指していきたい音楽というものが良く伝わった充実したものであることがわかります。
それと同時に、一緒に音楽活動を進めていくとなると、お互いにフラストレーションが溜まるだろうなと想像できます。
両陣営、音楽ファンにとっては、結果的には良い決断だったと思います。
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