【洋楽】おすすめのアルバム”In Blue” : “The Corrs”(コアーズ)

洋楽アルバム紹介

“The Corrs”の3作目のアルバムです。

複数のプロデューサーを迎え、”The Corrs”の音は、よりポップにエキサイティングに生まれ変わり、世界進出を視野に入れた音作りになっています。

曲調も、エレクトリックな楽器を加え、より重厚な音になっています。

従来のアイリッシュで牧歌的な要素は抑えられ、ポップでパワフルな曲が賑わいを見せています。

<曲目リスト>

  1. Breathless
  2. Give Me A Reason
  3. Somebody For Someone
  4. Say
  5. All The Love In The World
  6. Radio
  7. Irresistible
  8. One Night
  9. All In A Day
  10. At Your Side
  11. No More Cry
  12. Rain
  13. Give It All Up
  14. Hurt Before
  15. Rebel Heart

力強く、エキサイティングなサウンド

1曲目の”Breathless”: “Mutt Lange”(”Shania Twain”の夫)プロデュースのシングル曲です。

“Shania Twain”をカントリー・ミュージック界から、ポップ・ミュージック界に進出させ、世界的なヒットに結びつけたのが”Mutt Lange”です。

“The Corrs”も、”Mutt Lange”の力を借りて、アイルランドから世界進出を目論む戦略なのでしょうか。

今までの”The Corrs”よりも、さらにポップで、エキサイティングな曲に仕上がりました。

2曲目の”Give Me A Reason”: 曲調も、アイルランドの郷愁を誘うような牧歌的な雰囲気ではなく、ロック色の強いものへと変化してきました。

“Sharon Corr”のバイオリンの起用方法にも変化が見られます。

従来のアイルランドの音楽を想像させるような音ではなく、よりポップで、華やかな印象の音色になっています。

4曲目の”Say”: “The Corrs”の音が変化しようとも、変わらないのが、3姉妹の美しいハーモニーです。

美しい楽曲に、3人の魅力的な歌声が映えます。

こんなに、ポップで軽快なリズムでも、美しいハーモニーを同時に味わえるのも”The Corrs”ならではでしょう。

5曲目の”All The Love In The World”: このアルバムと、前作の”Talk on Corners”の間に、アコースティック・ライブ・アルバム、その名も”MTV Unpluged”が発表されています。

“The Corrs”の3姉妹の美しいハーモニー、郷愁さそう珠玉のメロディーは、やはりアコースティックな音がよく似合います。

グルメ・レポーターが、料理を口にして即座に「絶品です。」とか言うのを見てると、「あ~、ソースやタレが美味しいんだな」と思ってしまいます。

食材の味がわかるには、「味覚芽」が認識できるまでにある程度咀嚼して食べ物を細かくする必要があります。

“The Corrs”は、もともと素晴らしい素材ですから、色々な楽器で味付けする必要はありません。

ひょっとすると、曲のさわりをちょっと聴いただけで、「あ~、いい音楽だな」と思うのは、心地良い楽器の音を聴いているだけにすぎないのかも知れません。

6曲目の”Radio”: 「アイリッシュ・サウンドはどこへ行った」とか、「”Sharon Corr”のバイオリンが、ケルト音楽ぽくない」とかどうでも良くなるくらい、迫力のある演奏です。

楽曲の良さは文句なしですね。

アイリッシュ・テイストを封印しても、”The Corrs”の魅力は余すところなく発揮されています。

意図的に封印しているのでしょうか。

世界進出のためには、いつまでもローカルなイメージを武器にしてもいられないという気概の表れともとれます。

7曲目の”Irresistible”: “The Corrs”作品では、珍しくギターがかき鳴らされるソロが登場します。

それとは、対象的に、バイオリンは、軽くリズムを刻む程度の役割です。

1曲目の”Breathless”と並んで、本作の”In Blue”を特徴付けるようなロック調の曲です。

10曲目の”At Your Side”: 前作のアルバム”Talk on Corners”で披露してくれた”The Corrs”ワールドの再現です。

“Sharon Corr”のバイオリンも、郷愁誘う、心和む音を奏でてくれています。

やはり、”The Corrs”に求めたいのは、流行りの音ではなく、彼らのバックボーンに根ざした音楽観とそれを表現する美しいハーモニーとセンスの良いポップな感覚です。

12曲目の”Rain”: 三女であり、末っ子の”Andrea”の甘い歌声が、今回は、いつもよりなぜか大人びて聞こえます。

“The Corrs”の曲には、今まであまりなかったちょっと気だるい感じの曲調は、新しい”Andrea”、”The Corrs”の魅力になるかも知れません。

ポップな音楽に重心がかかりすぎ?

本作”In Blue”で、より、ポップでエキサイティングなサウンドを、繰り広げた”The Corrs”です。

過去に多くのビック・アーティストを世に送り出した敏腕プロデューサーを迎えて、世界進出への意気込みが感じられます。

しかし、私個人としては、世界進出を目論むのに、今までの”The Corrs”の音を変える必要は全くないと思います。

“The Corrs”の魅力は、アイリッシュな牧歌的な雰囲気と、モダンでポップな曲調の絶妙なバランスだと思います。

その個性を貫き、今までと同様に良い楽曲を提供し続けていれば、自ずと世界への道は開けていくことでしょう。

そして、嬉しいことに、次作の”Borrowed Heaven”では、”In Blue”で培った楽曲能力を引っさげて、また、”The Corrs”らしさを取り戻して私たちのもとへ現れます。

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