【洋楽】おすすめのアルバム”Hysteria” : “Human League”(ヒューマン・リーグ)

“Human League(ヒューマン・リーグ)”の4作目のアルバムです。

“Philip Oakey”率いる新生”Human League”のデビュー・アルバム”Dare”から、ミニ・アルバムの”Fascination”をはさんで、発売された本作”Hysteria”の第1弾シングル”The Lebanon”が発表されたときには、衝撃が走りました。
まず最初に度肝を抜かれたのは、大地を引き裂くようなギター・サウンドからいきなり始まったことです。

“Dare”収録の大ヒット曲”Don’t You Want Me”で一躍エレクトリック・ポップ時代の寵児となった”Human League”が、その成功体験をあっさりと投げ捨てて、ギター中心の音楽へと大転換したことに驚かされました。

そして、音楽テーマが、紛争地域の代名詞の”Lebanon”です。

今なら、シリアや、南スーダンといったところでしょう。

“Human League”が、”Heaven 17″と、新生”Human League”に分裂後、一貫して、華やかなエレクトリック・ポップを展開してきた”Human League”だけに、その転身は誰もが予想できないものだったでしょう。

しかし、その転身が、”Human League”の音楽に、より一層幅を持たせたことになりました。

<曲目リスト>

  1. I’m Coming Back
  2. I Love You Too Much
  3. Rock Me Again And Again And Again And Again And Again And Again
  4. Louise
  5. The Lebanon
  6. Betrayed
  7. The Sign
  8. So Hurt
  9. Life On Your Own
  10. Don’t You Know I Want You

社会派への転身?

1曲目の”I’m Coming Back”: 第1弾シングルの”The Lebanon”が、紛争地域のレバノンを題材にした重たいテーマの曲で、そのサウンドもギター中心のヘビーなものだっただけに、このアルバム全体が終始重苦しい雰囲気に包まれているのかと身構えてしまいましたが、この曲に関して言えば、新生”Human League”の前作”Dare”に通じるような華やかなエレクトリック・サウンドでした。

ただ、ベーズ・ギターの音などから、ミニ・アルバム”Fascination”も含めた前2作に比べれば、明らかに骨太のサウンドになってきています。

2曲目の”I Love You Too Much”: 先行して発売されたミニ・アルバム”Fascination”に収録されたバージョンよりも、テンポはゆったいめで、女性コーラスの部分が、男性のボーカルに変えられてより重厚なサウンドになっています。

やはり、こちらのバージョンの方が、より本作のアルバム”Hysteria”に相応しいサウンドになっていると思います。

この曲は、ミニ・アルバム”Fascination”にも、収録されていて、こちらのバージョンは、テンプも早く、エレクトリック・ポップらしく華やかで、ディスコ調で、女性コーラスの明るい歌声が印象的です。

両者のバージョンを聴き比べてみるのも楽しいでしょう。

4曲目の”Louise”: 第1弾シングル”The Lebanon”とは、また違った意味で、従来の”Human League”のイメージを覆す曲です。

エレクトリックな要素は、極力控え目に、ごく普通のポップ・ソングに仕上げています。

(”Philip Oakey”の風貌も、奇抜なヘアー・スタイルとメイクは、封印されています)

(”PV”の川下りのボート上で、ハンド・マイクを片手に歌っている姿は、ディズニー・ランドの「ジャングル・クルーズ」を連想せずにはいられません。)

ただ、楽曲のクオリティは決して平凡なレベルではありません。

華やかなエレクトリック・サウンドに頼らなくても、”Human League”の楽曲の素晴らしさは、十分伝わってきます。

5曲目の”The Lebanon”: 驚きの大転身で世間をあっと言わせた曲です。

当時、「レバノン」と言えば、今で言う、「シリア」や「南スーダン」と同じように、もっとも深刻な紛争地帯でした。

そんな、重たいテーマを、華やかなエレクトリック・ポップの申し子である”Human League”が取り上げるとは誰もが想像していなかったことでしょう。

そして、野太いベース・ギターの音は、明らかに従来の”Human League”では聴くことのできなかったものです。

続く、ギターの大地を引き裂くような音は、”U2″の”The Edge”の切れ味鋭いギター・ワークを連想させます。

9曲目の”Life On Your Own”: 従来の華やかなエレクトリック・ポップの部分と、楽曲の良さで勝負した本作の力強いサウンドの新旧”Human League”の音が入り混じった、楽曲的にも大変優れた、魅力ある1曲です。

大ヒット曲の”Don’t You Want Me”以上に評価したい曲です。

この曲のPVを見てみると、核戦争後の、半ば人類が滅亡しかけた状況をテーマにしている印象があります。

北朝鮮のミサイル発射などの挑発行為や、アメリカ軍の朝鮮半島に向けたイージス艦の配備など不穏な動きが広まっているなかで、現実には見たくない映像です。

平和的な解決を望むものです。

華やかなエレクトリック・サウンドも平和な世の中であってこそ

大ヒット曲の”Don’t You Want Me”で、一躍、エレクトリック・ポップの寵児となった新生”Human League”ですが、この曲のテーマが、エレクトリック・ポップ版の「3年目の浮気」でしたから、本作の”Hysteria”が扱うテーマとの違いは鮮明です。

“Human League”のサウンドも、そのテーマとともに、骨太のものと変わってきました。

華やかなエレクトリック・サウンドも、平和な世の中であってこそ聴けるということでしょうか。

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