“Blur”4作目のアルバムにあたる作品です。
よく”Blur”3部作などと言われていますが、その3部作の最終作にあたるのが、この”Great Escape”です。
この”Great Escape”は、アルバム・ジャケットだけを見ても、「突き抜けるような青い空」が印象的で、”Modern Life Is Rubbish”のそれのどんよりとした「鉛色の空」とは対象的です。
そのサウンドも、アルバム・ジャケットの空模様の変化と同様に、突き抜けるようなサウンドが展開されます。
<曲目リスト>
- Stereotypes
- Country House
- Best Days
- Charmless Man
- Fade Away
- Top Man
- The Universal
- Mr Robinson’s Quango
- He Thought of Cars
- It Could Be You
- Ernold Same
- Globe Alone
- Dan Abnormal
- Entertain Me
- Yoko and Hiro
ステレオタイプを突き破れ!
1曲めの”Stereotypes”: 無造作にかき鳴らされるギターと共に、無機質なキーボードの前奏から始まります。
しかし次第に、抑揚感溢れる盛り上がりを見せます。
終始淡々と歌われる前作アルバム”Park Life”に収録されている”Boys and Girss”とは趣が違います。
2曲目の”Country House”: キャッチーで、”Blur”にしては、心配したくなるほどポップな曲です。
曲の内容も「仕事で成功して、リタイアしたら郊外の広大な「カントリーハウス」で悠々自適に暮らしたい」と言ったものだったと思いますが、これまた”Blur”らしくないですね。
この裏に隠された本当の意味は何だろうと勘ぐってしまいたくなるような疑心暗鬼に満ちた曲です。
単なる杞憂で、正当なポップ・ソングとしてただ楽しめば良いのかも知れませんが・・・。
4曲目の”Charmless Man”: どんな解釈をしようが、圧倒的なポップ・センスが開花した第一級の作品です。
“Charmless”とは、逆説的な意味を持つものでしょうか、非常に”Charmful”な曲です。
“Blur”のコーラス(合いの手と言ったらいいのでしょうか)は、とても独創的ですね。
他のどのバンドにも似ていないですよね。
コーラス部分の”na na na na na na naaa na na na na na na naaa”(実際の音と表記があっているでしょうか?)などは、どうやって思いついたのでしょうか、一度聴いたら忘れないフレーズですよね。
“Modern Life Is Rubbish”の”For Tomorrow”の”laa la la la laa,la la la la la la la la la”(もう文字ではほとんど表現不可能です)なんかもいかしてますね。
実際、サビの部分より魅力的じゃないでしょうか。
7曲目の”The Universal”:失礼ながら、こんな曲も書けるんですね。
その気になれば、これぐらいの曲は書けるよって感じでしょうか。
なかなかその気にならないのが、”Blur”でしょうから・・・。
つかの間の美しい旋律に酔いしれて下さい。
3部作最終章を向けえても、まだまだ続く・・・
“Blur”3部作も最終章を迎え、今後、このような良質なサウンドを耳にすることができなくなったかっと言うと、そんなことはありません。
この後のアルバムにも、時にはキャッチーで心躍るサウンド(”Song 2″のことですよ)や、じっくりと味わう心にしみる曲(そうです。”Beetlebum”です)も提供しています。
「3部作」などというくくりにとらわれずに、お好きな1枚をどうぞ・・・。
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