“Swing Out Sister”の6作目のアルバムです。
“Sugar Free”(無糖)の”Bitter”な大人のサウンドに、仕上がりました。
前作の”Shapes & Patterns”で、上質な音を練り上げてきた”Swing Out Sister”が、さらに大人の香りを振りまいています。
相変わらず、お洒落な音を聴かせてくれますが、より繊細で、時にはジャズのテイストをきかせながら私たちを”Swing Out Sister”の世界に引き込んでいきます。
<曲目リスト>
- Who’s Been Sleeping
- Closer Than the Sun
- Sugar Free
- Filth And Dreams
- Happy When You’re High
- If I Had the Heart
- When Morning Comes
- Invisible
- World Out of Control
- Make You Stay
“Sugar Free”「砂糖抜き」の大人のサウンド
1曲目の”Who’s Been Sleeping”: とりたてて、飾らなくても、自然とにじみでるようなたたずまいの美しさ、さりげない音楽が上質な空気を醸し出しています。
そんな、熟達したレベルに”Swing Out Sister”は到達したように感じます。
3曲目の”Sugar Free”: こんな”Bitter”な、”Swing Out Sister”は聴いたことがありません。
何て、”Cool”な曲でしょう。
この路線で突き進んで欲しいほどです。
しかし、このアルバム”Filth and Dreams”は、ボーカルの”Corinne Drewery”の持ち前の伸びやかな歌声を発揮できそうな突き抜ける曲があまりないですね。
それでも、彼女の歌声は、”Bitter”なサウンドの中にあっても、一服の清涼感があります。
4曲目の”Filth And Dreams”: 表題曲であり、やはり、このアルバムの音を代表するような音です。
このアルバムで気になることがあります。
それは、男性バック・コーラスの多用です。
ムーディーで、大人の音を形作っている点では、一役買っていますが、ちょっと多用気味な気がします。
他のアルバムでは、あまり見られないことです。
“Corinne Drewery”の歌声だけで、十分魅力的な気がします。
7曲目の”When Morning Comes”: いつしか、”Swing Out Sister”のライブは、コンサート会場から、ステージが客席にほど近いクラブのような会場に変わっていたのでしょうか。
それに伴い、”Swing Out Sister”の音楽も、ロック、ポップ・ミュージックから、ジャズへと傾倒していったように思えます。
8曲目の”Invisible”: “Swing Out Sister”の本作”Filth and Dreams”での進化の到達点が、この曲”Invisibe”であるとしたら、大賛辞の言葉を贈りたいです。 歓迎します。
何とシンプルな音でしょうか。
名曲と言える曲の共通点です。
余分な音で飾り立てる必要がない楽曲自身の魅力がそこにはあります。
もともと、ファッショナブルな”Swing Out Sister”でしたが、ここまで余分なものを削ぎ落とした繊細な音にいよいよたどり着きました。
音楽界の”COMME des GARCONS”の称号を手に入れた感があります。
きらびやかな装いから飾らない上質なお洒落へと
明らかに、前作の”Shapes & Patterns”が転機でした。
これまでも、十分お洒落でした。
それは、華やかで、きらびやかな音楽でした。
“Shapes & Patterns”では、しっとりとした上質な音楽を聴かせてくれました。
そして、この”Filth and Dreams”では、これまでのポップな音は、少し抑えめにして、ちょっと苦味を効かした大人の音に変貌してきました。
まさに、”Filth and Dreams”清濁併せ飲むといった成熟した音楽が期待できそうです。
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