The Cranberries (クランベリーズ)のデビュー・アルバムです。
“Dreams”と”Linger”の2大ヒットで一躍多くの音楽ファンの心をつかみ、熱狂的な支持者を獲得してきました。
本作”Everybody Else Is Doing It So Why Can’t We”は、アコースティックなサウンドが中心で、それだけに”The Cranberries”の豊かな感性が純粋に伝わってきます。
この心に染み入るメロディーが多くの音楽ファンを虜にしたのだと感じるアルバムです。
<曲目リスト>
- I Still Do
- Dreams
- Sunday
- Pretty
- Waltzing Back
- Not Sorry
- Linger
- Wanted
- Still Can’t…
- I Will Always
- How
- Put Me Down
アコースティックなサウンドに”The Cranberries”の感性が凝縮
1曲目の”I Still Do”: アコースティックなサウンドが、素朴でありながら、初期の”The Cranberries”の豊かな感性をより良く表現しています。
“Dreams”と”Linger”の2大ヒット曲が、印象的で、多くの音楽ファンの心をつかみました。
しかし、アルバム中に収録された他の曲も、”The Cranberries”の繊細で、心に染み入るメロディーを感じるとることができるでしょう。
飾り気のない音の中にも、女性ボーカルの”Dolores O’riordan Burton”をはじめとする若き”The Cranberries”の感性を感じます。
2曲目の”Dreams”: キャッチーで、一度聴いたらその印象的なメロディーは深く心に刻まれ、気がついたらつい口ずさんでいる自分を発見することでしょう。
コンサートのエンディングでも演奏され、ライブでもとても盛り上がる曲です。
中でも、1999年に行われたパリでのライブでは、熱狂的なフランスの若者に歓迎されました。
3曲目の”Sunday”: 清らかで、繊細で、もろくて危うい美しさがあります。
“The Cranberries”のメンバーもまだ若く、その音楽性にも純粋でひたむきな姿勢が感じられます。
アルバム・ジャケットの写真に、メンバーの長髪の姿が写っていますが、初々しさを感じます。
7曲目の”Linger”: “The Cranberries”が世に知られるようになったきっかけになった曲です。
“Dolores O’riordan Burton”の豊かな感性を感じずにはいられないでしょう。
8曲目の”Wanted”: アルバム・ジャケットに、 “Dolores O’riordan Burton”が悲痛な表情でうつむき加減でソファーに座っている写真があります。
まだ少女の面影が残る彼女の尖った感性が感じられる一曲です。
後に、母親となり、”Animal Instinct”(アルバム”Bury The Hatchet”に収録)など母性を歌った曲を作っていきますが、その成長の過程が伺えます。
その成長の証となるものが、アルバム”Bury The Hatchet”のジャケットの2枚の写真です。
まず表面の写真の巨大な目は、「世間からの視線」を表しています。
そして、裸の男性は、「ありのままの自分」(無防備な自己)の象徴です。
衆人環視の状況で、素のままの自分をさらけ出すことに怯えている状況を表しています。
(複雑な現代社会において、ありのままをさらけ出して生きている人はいないでしょう)
これだけの才能の持ち主である”Dolores O’riordan Burton”でさへも、その才能を誇示するどころか、その類まれなる個性が故に、素の自分をさらけ出すことにためらいを感じています。
一方で、アルバム・ジャケットの裏面を見てみると、今度は、裸の男性が「巨大な目」に対してなにやら吠えています。
「ありのままの自分」をさらけ出すことへのためらいを克服し、堂々と自分を主張しています。
これには、反対に世間の目の方が驚愕しています。
多くの音楽ファンに支持され自信を深め、母親となった強さを身に付け、精神的な強さを得た”Dolores O’riordan Burton”のその姿とダブります。
>アルバム”Bury The Hatchet”に関する記事はこちらから
楽曲重視の姿勢”The Cranberries”の音楽の原点
ライブでも”Fleetwood Mac”の”Go Your Own Way”をカバーしている”The Cranberries”ですが、このアコースティックのライブ演奏を聴いてみると、なぜ彼らが、”Fleetwood Mac”の曲を好んで起用しているのも頷けるような気がします。
“Fleetwood Mac”のソング・ライティング力には目を見張るものがあり、”The Cranberries”の音楽的な技法よりも楽曲重視の姿勢を伺うことができます。
また、”Dolores O’riordan Burton”の音楽的な感性の豊かさにつながるものがあると感じます。
本作”Everybody Else Is Doing It So Why Can’t We”は、”The Cranberries”の若き日の初々しい音楽的な感性と彼らの音楽の原点を感じることができるアルバムです。
>”The Cranberries”に関する記事はこちらから
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