Thompson Twins(トンプソン・ツインズ)の6作目のアルバムです。
パーカション担当の”Joe Leeway”がバンドを脱退し、”Tom bailey”と”Alannah Currie”2人だけのユニットになりました。
そのせいか、Thompson Twinsらしい彼ら独特のリズムは影を潜めるようになりました。
その代わり、これまでにも、磨かれた”Tom bailey”のメロディー・センスは最高潮に達し、魅力的な曲を仕上げています。
ちなみに、”Close to the Bone”というアルバム・タイトルですが、直訳すると、「骨に近い」ですが、慣用句で、「ずけずけ言う」、「きわどい(表現)」ですが、、「歯に衣を着せない」”Thompson Twins”からのストレートなメッセージとも言えるでしょう。
<曲目リスト>
- Follow Your Heart
- Bush Baby
- Get That Love
- Twentieth Century
- Long Goodbye
- Still Waters
- Savage Moon
- Gold Fever
- Dancing In Your Shoes
- Perfect Day
“Thompson Twins”からのストレートなメッセージ?
1曲目の”Follow Your Heart”: アルバム全体的には、リズム・バンドとしての彼ら独特のリズムは少しずつ薄れてきているとは言え、シングル・カットされたこの””Follow Your Heart”には、木琴の軽快なリズムが
聴こえてきます。
さらに、このアルバムで頂点に達した”Tom bailey”のメロディー・センスも十分に感じられる魅力的な曲に仕上がりました。
2曲目の”Bush Baby”: リズム・バンドというよりも、エレクトリック・ポップの要素が強い作品です。
“Quick Step & Side Kick”で見せた多様な音楽が交錯する”Thompson Twins”の世界が垣間見れる曲です。
3曲目の”Get That Love”: “Thompson Twins”の楽曲の素晴らしさが最高潮に達したことを証明するかのような曲です。
特有のリズムなどの”Thompson Twins”の必然性はありませんが、ポップ・ミュージックに名を残す際立った楽曲の質を感じます。
5曲目の”Long Goodbye”: あの名作”Hold Me Now”のように、しっとりと聴かせる作品です。
リズムは、背景のようにさらっと刻み、メロディー重視の戦略です。
“The Police”はレゲエであり、リズムは違いますが、曲調やギターのコードなどは”Wrapped Around Your Finger”を連想させます。
6曲目の”Still Waters”: ブラス・セッションも加わり、従来の軽快なリズムから、重厚なリズムを刻むように変わってきました。
まさに、”Close to the Bone”「ストレートな表現」となっています。
曲の展開もダイナミックで魅力的な曲になっています。
7曲目の”Savage Moon”: この曲も、これまでの”Thompson Twins”のリズムとは、明らかに異なります。
“Duran Duran”(デュラン・デュラン)のアルバム”Seven And The Ragged Tiger”あたりの音を思い起こします。
当時の流行りの音だったのでしょうか。
“ニッチ市場”からの脱却は困難?
“Thompson Twins”は、このアルバム”Close to the Bone”で、従来の彼らの独特のリズムによる音楽的な表現を抑えて、普遍的な楽曲の良さで勝負してきました。
しかし、才能豊かな”Tom bailey”といえでも、”Get That Love”のような名曲を次々と生み出していくのは至難の技です。
確立した自らの音楽的なイメージをある程度踏襲しながら新しい試みを加えていくのが無難だとは思いますが、敢えて無難な道を選ばないのも”Tom bailey”ならではのことでしょう。
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