“New Order”4作目のアルバムです。
楽曲の素晴らしさが、芽生え始めたのが、前作”Low Life”であるなら、それを一気に頂点まで極めたのが、この”Brotherhood”でしょう。
ソング・ライティングを担当している”Bernard Sumner”の作曲能力は、ポップ・ソングの域を超えています。
エレクトリック・ポップ全開の”Blue Monday”のようなダンサンブルな部分は影を潜めていますが、楽曲の美しさは、”New Order”アルバムの中でも群を抜いています。
<曲目リスト>
- Paradise
- Weirdo
- As It Is When It Was
- Broken Promise
- Way Of Life
- Bizarre Love Triangle
- All Day Long
- Angel Dust
- Every Little Counts
楽曲の美しさは神託によるものか?
3曲目の”As It Is When It Was”:”I Cut My Head against the Wall,”「壁に頭ぶつけて切っちゃたよ~」で始まるなんてことない曲に感じますが、これが、間奏部に入ると、がぜん、輝きを放ちます。
前作のアルバム”Low Life”の”Sooner Than You Think”のギターの小刻み音色を彷彿させます。
6曲目の”Bizarre Love Triangle”:”New Order”の、いや、「エレクトリック・ミュージック」の最高傑作と言えるでしょう。
どうしたら、このようなメロディーが浮かんでくるのでしょうか。(ポップ・ミュージックの神からの神託を受けているのでしょうか。)
私たち音楽ファンは、ポップ・ミュージックの神さまからの贈り物を”New Order”を通じて、享受することができるのです。(ありがたい話です。)
7曲目の”All Day Long”:”Politics”「政治学」とか、”Economics”「経済学」などという深淵な歌詞が、ちらちらと顔を覗かせる曲ですが、間奏部(インストルメンタル部分)の楽曲の素晴らしさは、”Bizarre Love Triangle”と肩を並べるほどの出来映えです。
本当に、ロックやポップの領域を超えています。
クラシック音楽と比べても遜色がないでしょう。
作曲家としても、「モーツァルト」や「チャイコフスキー」に匹敵します。
「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」や「交響曲第40番」と比べても見劣りすることはないでしょう。
「モーツァルト」や「チャイコフスキー」と同等の曲の効果を、4分ほどで満喫できるのですから、忙しい現代人にとってはありがたい話です。
8曲目の”Angel Dust”も然りです。間奏部分の美しさは管弦楽団のそれです。
9曲目の”Every Little Counts”:幸福感が漂う曲です。曲の冒頭部分で”Bernard Sumner”が、笑いながら歌っています。
やはり、楽曲の素晴らしさは、最後の最後まで留まるところを知りません。
最後を飾る曲だけあって、美しいだけでなく、壮大で、アルバム一枚を聴き終えた後は、何とも言えない充実感を味合うことができたはずです。
リミックスもほどほどに
ロック・ファンだけでなく、クラシック音楽好きの人にも、おすすめできるアルバムだと思います。
本当に、”New Order”の楽曲は素晴らしいです。
ですので、次作の”Technique”あたりの、リミックスの出来映えには、ちょっと残念に感じることが多いです。
原曲は素晴らしいのに、リミックスと称して、原曲の部分は、ほんのサンプリングにしか使われていないアレンジが多くあります。
本人たちの了解を得ているのだろうかと疑問に思うバージョンもあります。(”Blue Monday”の”Hardfloor Mix”なんか、その最たるものです。)
原曲の曲の美しさを活かして、また、違った雰囲気の曲に仕上げた、そんなリミックスでしたら大歓迎です。
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