【洋楽】おすすめのアルバム”Breakfast in America” : “Supertramp”(スーパー・トランプ)

“Super Tramp”の4作目のアルバムです。

“Breakfast in America”、”The Logical Song”の洋楽史上でも、屈指の名曲が含まれ、世界中で大ヒットしたアルバムです。

前作の”Crime of Century”でも、メロディー・ラインの素晴らしさには目を見張るものがありましたが、この作品は、英国ロックのシニカルな雰囲気がアルバム全体に占めていました。

本作の”Breakfast in America”は、アメリカの音楽市場を意識していることが、アルバム・タイトルや、アルバム・ジャケット(自由の女神のパロディー)でも伝わってきます。

曲調もよりポップとなり、今まで培ってきたメロディー・センスと相まって、強力なインパクトを生み出しています。

“Breakfast in America”、”The Logical Song”以外の作品群もどれも秀逸で、世界的に記録的なセールスを築き上げたのも頷ける作品です。

<曲目リスト>

  1. Gone Hollywood
  2. The Logical Song
  3. Goodbye Stranger
  4. Breakfast In America
  5. Oh Darling
  6. Take The Long Way Home
  7. Lord Is It Mine
  8. Just Another Nervous Wreck
  9. Casual Conversations
  10. Child Of Vision

洋楽史上、最高峰のメロディー・ライン

1曲目の”Gone Hollywood”: 英国のバンドが、まず題材として取り上げることのない”Hollywood”ですが、”Supertramp”がアメリカの市場を意識した場合、素通りできない聖地なのでしょう。

“Crime of Century”の暗闇の中からもがきでて、光の中に飛び込もうとする”Super Tramp”の苦悩のようなものを感じます。

しかし、暗闇のトンネルから抜け出てから”Supertramp”のポップ・センスは、まっしぐらに光の中を駆け抜けていきます。

2曲目の”The Logical Song”: 楽曲の素晴らしさは言うまでもないのですが、この曲の歌詞が素晴らしいので
ちょっと取り上げて見たいと思います。

“When I was young, it seemed that life was so wonderful”「若かりし頃、人生は素晴らしものだった」
“A miracle, oh it was beautiful, magical.”「それは、奇跡的で、美しく、魔法のような世界だった」。

“But then they send me away to teach me how to be sensible,Logical, responsible, practical.”「しかし、世間が、僕に、賢明さ、論理的、責任感、実用的などというものを教え込んでからは、事態が一変した。」

歌詞が詩的で、深いですね。

“Please tell me what we’ve learned.”「我々は何を学ばなければいけないのか」。

“Please tell me who I am.”「僕はいったい何者なのか」。

ロック・ミュージックなのに、恐ろしく哲学的な内容です。

そして、続きます。

“You’re Acceptable, respectable, presentable, a vegetable!”形容詞のオン・パレードです。

おや、よく見ると関係がないのが混ざっていますね。

最後の、”a Vegetable”は、「野菜」です。

“Cynical”、”Laughable”です。

>曲”The Logical Song”に関する記事はこちらから

3曲目の”Goodbye Stranger”: “The Logical Song”や”Breakfast in America”が、ハイ・トーン・ボイスの”Roger Hodgson”が作り出す幻想的な作品だとすれば、この”Goodbye Stranger”は、もう一人のボーカリストの”Rick Davies”が低音の歌声でぐいぐいと引っ張る力強い作品です。

とは言っても、前奏のキー・ボードの伴奏と、後半部分の、”Roger Hodgson”のコーラス部分は、幻想的で甘美なメロディーが添えられています。

高低の異なる2人の歌声が絡む部分は、この曲のハイライトであり、このバンドの魅力でしょう。

4曲目の”Breakfast In America”: 今更、何の説明も必要のないほどの名曲中の名曲です。

こちらも興味深い歌詞があります。

“Could we have kippers for breakfast”中にある、”Kippers”というのは、燻製のニシンです。

“We”とは、勿論、英国人です。

英国人の朝食の食卓によくのぼる”Kippers”です。

“Big Apple”と言われているように、誰もが成功をつかむ門戸が開かれている自由の国アメリカですが、”Supertramp”が言うように、”I’m hoping it’s going to come true,But there’s not a lot I can do”
「自分にできることはそれほど多くない」とちょっと悲観的です。

そういえば、サックスの音も、自由を謳歌するというよりも、ちょっぴり憂いを帯びた感じの音ですね。

“Winner”と”Sinner”「勝者」と「罪人」を同列に並べるところなど、いかにも英国人らしいシニカルな表現ですが、アメリカ進出を成功裡に成し遂げた”Super Tramp”は、間違いなく勝者であり、そして罪人どころではなくロック界に金字塔を打ち立てた功労者でしょう。

6曲目の”Take The Long Way Home”: “Crime of Century”の世界のようなどろどろとした不協和音のピアノの音から始まり一瞬身構えてしまいそうな雰囲気の中、軽快なメロディーが広がっていきます。

“Roger Hodgson”の歌声が、幻想的というよりも、軽やかな響きでやさしく包込むような感じです。

そして、サビの部分は、メロディーラインのあまりの美しさに、思わずトリップしてしまうのではないかと思えるほどの出来映えです。

間奏部分のサックスとハーモニカの楽曲は、感動的なほど甘美なメロディーの応酬です。

8曲目の”Just Another Nervous Wreck”: 気絶しそうなほど美しい電子ピアノの音で始まり、徐々に緊張感が高まってきます。

“Rick Davies”の力強いボーカルの後、間奏でその美しいピアノ音に、ギターが絡んできます。

そして、再びクライマックスを迎える頃には、底知れぬほどの深い感動に包まれていることに気がつくことでしょう。

記録的なセールス、記憶に残るセンス

一般的に、あまりに成功したアルバム(特に、デビュー・アルバムがビギナーズ・ラックのような形で成功した場合)は、時代の潮流にのって勢いで売れたためからか、その後、そのアーティストは活躍しなくなる憂き目をみる場合が多い傾向にあると思います。

売れた作品が、必ずしも音楽的に価値の高い作品とは限らないということです。
一方で、残念ながら、芸術的に価値の高い作品でも、プロモーションの出来不出来によって、日の当たらない作品になることも多いと思います。
しかし、本作”Breakfast in America”は、芸術的に大変価値の高いアルバムでありながら、セールス的にも成功した数少ないアルバムです。

ですので、数十年経った今でも、いえ、今から数十年経った未来においても、十分鑑賞に堪えられる名盤と言えるのです。

>”Supertramp”に関する記事はこちらから

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