【洋楽】おすすめのアルバム”Borrowed Heaven” : “The Corrs”(コアーズ)

洋楽アルバム紹介

“The Corrs”の4作目のアルバムです。

前作のアルバム”In Blue”では、エレクトリックなサウンドが導入され、よりポップな曲調となりましたが、一方で、”The Corrs”らしいアイルランドの伝統的な音楽が影を潜めてしまった傾向がありました。

前作の”In Blue”と本作の”Borrowed Heaven”の間に発表された”Mtv Unplugged”というアコースティック・ライブのアルバムが原点回帰というような内容であったため、それに触発されたのか、本作”Borrowed Heaven”は、以前のアイルランドの伝統的な音楽を思わせるような曲調が戻ってきたような気がします。

<曲目リスト>

  1. Summer Sunshine
  2. Angel
  3. Hideaway
  4. Long Night
  5. Goodbye
  6. Time Enough For Tears
  7. Humdrum
  8. Even If
  9. Borrowed Heaven
  10. Confidence
  11. Baby Be Brave
  12. Silver Strand

嬉しい! ”The Corrs”サウンドへの回帰

1曲目の”Summer Sunshine”: アコースティック・ギターの音も爽やかに、”The Corrs”のアコースティックなサウンドが戻ってきました。

元気な曲調は、セカンド・アルバム”Talk on Corners”の”So Young”を思わせます。

2曲目の”Angel”: キャッチーなメロディーに、”Sharon Corr”のバイオリンと”Andrea Corr”のティン・ホイッスルが、鮮やかな彩を添えています。

やはり、”The Corrs”のサウンドには、この2つの楽器は欠かせない存在でしょう。

4曲目の”Long Night”: ボーカルの”Andrea Corr”の歌声は、相変わらず、末っ子らしい甘えん坊で甘ったるい印象ですが、風貌も大人びたのと同時に、その歌声も成長のあとが感じられます。

しっとりとした雰囲気の曲調に、”Sharon Corr”のバイオリンが実によく合います。

特に、間奏のソロの部分は、圧巻でドラマチックな雰囲気が漂ってきます。

5曲目の”Goodbye: 本作”Borrowed Heaven”の特徴として、ピアノが効果的に使われている点が挙げられます。

やはり、”The Corrs”の音楽には、エレクトリックなシンセサイザーよりも、ピアノの柔らかい音の方が相性が良いと思います。

美しいメロディーにのって、ピアノとバイオリンの親和性が何とも心地良い一曲です。

7曲目の”Humdrum”: 前作の”In Blue”のようなエレクトリックなサウンドで幕を開けますが、曲のタイトルの”Humdrum”の意味の「退屈な」、「平凡な」とは、正反対のとても魅力的なメロディーをサビの部分で聴かせてくれます。

“Sharon Corr”のバイオリンも、これぞ”The Corrs”と言えるようなアイルランドの伝統的な音を感じさせます。

9曲目の”Borrowed Heaven”: 今までになかった”The Corrs”の音です。

特に、パーカッションの刻みは、新しいです。

こうした新しい試みを表題曲として持ってきたところに、”The Corrs”の新境地の開拓の意気込みを感じます。

自身の魅力をよく理解している”The Corrs”

アコースティック・ライブのアルバムの発表で、自らの魅力を再認識した”The Corrs”ではなかったでしょうか。

単に、アイルランドの伝統的な音楽を忠実に再現するわけではなく、ポップな味付けをすることによって、”独自の魅力を作り出してきたのが”The Corrs”です。

しかし、あまりに、ポップになりすぎると、その魅力を維持するのは難しくなってしまうでしょう。

前作の”In Blue”で、少し、ポップでエレクトリックに偏重しがちだった音を見事に軌道修正してくれました。

“The Corrs”自身も、自分たちの魅力を、聴衆が何を求めているのか、よくわかってきているのではないでしょうか。

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