“City Boy”の4作目のアルバムです。
ヒット曲の”5-7-0-5″をはじめとし、”City Boy”の作品の中では、強烈なギター・サウンドを中心としたロック色の強いアルバムです。
しかし、”5-7-0-5″のようなキャッチーでストレートな曲で終始するようなことは、”City Boy”に限っては考えられません。
本作でも、魅惑的な数々の仕掛けが散りばめられています。
<曲目リスト>
- 5-7-0-5
- Summer In the School Yard
- Goodbye Laurelie
- Raise Your Glass (To Foolish Me)
- Cigarettes
- What a Night
- Do What You Do, Do Well
- The World Loves a Dancer
- Beth
- Moving In Circles
- Dangerous Ground
強烈なギター・サウンドのロック色の強い作品
1曲目の”5-7-0-5″: “City Boy”の曲で、もっとも知られた曲です。
英国ロックのそれも一地方のバーミンガム出身のバンドですが、キャッチーなメロディーは、アメリカでも通用しそうな曲です。
“City Boy”の作品としては、ストレートなサウンドで、アルバム中もっとも、らしくない作品とも言えなくはないでしょう。
しかし、サビの部分の後に、変調し曲調が変わると、ここからが”City Boy”の本領発揮といったところでしょう。
変調直前の間奏部分も東洋的な音が展開され、”City Boy”らしい味のあるアクセントです。
アルバム全体に言えることですが、この曲も後半部分に力強いギター・ソロが聴けます。
2曲目の”Summer In the School Yard”: “City Boy”らしいと言えば、”5-7-0-5″よりも、こちらの曲の方が、”City Boy”らしい曲ではないでしょうか。
前奏のドラムの刻み具合が印象的で、結構いかしています。
エンディングのギターとドラムスの絡み具合も絶妙です。
3曲目の”Goodbye Laurelie”: 前作のアルバム”Young Men Gone West”の表題曲である”Young Men Gone West”を思わせるようなどこか懐かしい響きのある曲です。
歌詞の内容も、曲調も甘酸っぱい青春のひと時を感じさせる切ない曲です。
4曲目の”Raise Your Glass (To Foolish Me)”: ピアノの伴奏が心地良い、本作”Book Early”中、もっとも美しい曲です。
こちらのギターの音は、力強さよりも、優しさを感じさせるような響きがあります。
6曲目の”What a Night”: これぞ”City Boy”の真骨頂です。
美しい曲は、この世には、数多くありますが、ときにストリングの甘美のメロディーが散りばめられたこの”What a Night”の独自の音は、”City Boy”にしか描けない彼らの世界です。
8曲目の”The World Loves a Dancer”: 最高にファンタスティックで、心躍るようなメロディーです。
それは、前奏の数秒を聴いただけで実感せずにはいられません。
“City Boy”の独創性には、舌を巻くばかりです。
10曲目の”Moving In Circles”: よくありがちな普通のロック・ミュージックと思わせておきながら、曲は淡々とリズムを刻んでいきますが、突如、珠玉のサビの部分が待ち受けています。
“City Boy”のことですから、何事もなく曲が終わるようなことは考えられません。
いつも、何かあっと驚くような展開や、思わずにやっとさせてくれる仕掛けが用意されています。
“City Boy”ならではの多彩な変化球の数々
ヒット・シングルの”5-7-0-5″ばかりに目を奪われてしまいそうですが、その他にも、”City Boy”ならではのひと捻り、ふた捻りもある味わい深い作品が多くならんでいます。
シングル曲の”5-7-0-5″が、ストレートなロックであるとすれば、その他の曲は、カーブ、チェンジ・アップなど多彩な変化球で聴く者の的を絞らせない幻惑のライン・ナップです。
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