“Simply Red”6作目のアルバムです。
前作の”Life”は、大ヒット曲の”Stars”発表後のアルバムで、その動向が問われるものでした。
しかし、当のバンドのフロントマンの”Mick Hucknall”は、淡々と洗練された数々の曲を作り上げました。
統一感があってセンスのいいアルバムでしたが、ちょっとまとまりすぎて、以前のソウルフルな”Simply Red”を見てみたいという昔からのファンもいた事と思います。
本作”BLue”は、そんなファンにも納得のソウルフルな曲やラブ・ソングとバラエティ豊かな個性的な曲が散りばめられています。
勿論、”Mick Hucknall”の類まれなる歌唱力は、曲の随所に味合うことができます。
<曲目リスト>
- Mellow My Mind
- Blue
- Say You Love Me
- To Be Free
- The Air That I Breathe
- Someday In My Life
- The Air That I Breathe reprise
- Night Nurse
- Broken Man
- Come Get Me Angel
- Ghetto Girl
- Love Has Said Goodbye Again
- High Fives
極上のメロディーと歌唱力抜群のシンガーの豪華な組み合わせ
1曲目の”Mellow My Mind”:ゆったりとした雰囲気でくつろぎながら、じっくりと聴きたい曲です。
アルバム・ジャケットの色彩が、前作の”Life”と同系色の”Blue”ですが、照度がずっと抑えられ落ち着いた気持ちで曲に身を委ねることができます。
曲のテンポもゆったりとしている分、”Mick Hucknall”の歌唱力がより際立ったものとなっています。
曲自身もしっかり味合うことができますし、上質な歌声そのものも十二分に楽しめます。
2曲目の”Blue”:表題曲であるこの曲で、エンジンがかかってきました。
ギターが奏でるメロディーが心地良い一曲です。
3曲目の”Say You Love Me”:美しい。ただひたすら美しいバラードです。
極上のメロディーと歌唱力抜群のシンガーの豪華な組み合わせが幸せなひとときを約束してくれるはずです。
ソウルフルな歌声も魅力的ですが、じっくり聴く”Mick Hucknall”も、また、格別ですね。
7曲目の”The Air That I Breathe reprise”:5曲目と同タイトルですが、曲調ががらりと変わります。
私個人は、7曲目の「reprise」の方が好みです。
何といっても、こちらのバージョンの方が前奏が綺麗だし、”Mick Hucknall”の歌声もスローなテンポで心に響きます。
8曲目の”Night Nurse”:このアルバムの私のお気に入りの曲です。
前作”Life”にはなかった音です。
レゲエ調のリズムで、”Mick Hucknall”でしか表現できない独特の世界があります。
こうした曲が入ることで、アルバム”Blue”の音の世界が広がっていきますね。
“Simply Red”の曲は、年齢を重ねるごとにその良さがだんだんわかってきます。
たぶん、若い時に聴いてもそれほど心に響くことはなかったでしょう。
大人の洋楽ファンが満足できる数少ないアーティストだと思います。
11曲目の”Ghetto Girl”:やはりお気に入りの一曲です。
ちょっと怪しげな雰囲気が漂っていますが、楽曲の良さと”Mick Hucknall”の巧みなボーカルにより魅力的な曲に仕上がっています。
8曲目の”Night Nurse”同様、このアルバム”Blue”が、より多種多様な音楽の世界へと展開していくのに一役買っています。
その歌声がバンドの最大の武器
このアルバムで、”Simply Red”の魅力は、”Mick Hucknall”の歌声にあると改めて感じさせられました。
歌の上手いボーカリストは、たくさんいるでしょうが、これほど、曲の中で歌声の美しさが感じられるのは、やはり”Simply Red”の最大の特徴でしょう。
ついつい、その歌声に引き込まれてしまう、そんな曲が多く詰まったアルバムだと思います。
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