“XTC”4作目のアルバムで、数ある彼らのアルバムで、もっともロック色の強いエネルギッシュなアルバムです。
若さがあります。勢いを感じます。
前作の”Drums & Wires”で芽生え始めたポップ・センスが、一気に花開きました。
しかも、いきなり満開です。
満開の”XTC”サウンドを桜花(いや謳歌)しましょう。
<曲目リスト>
- Respectable Street
- Generals And Majors
- Living Through Another Cuba
- Love At First Sight
- Rocket From A Bottle
- No Language In Our Lungs
- Towers Of London
- Paper And Iron (Notes And Coins)
- Burning With Optimism’s Flames
- Sgt Rock (Is Going to Help Me)
- Travels In Nihilon
- Smokeless Zone
- Don’t Lose Your Temper
- The Somnabulist
はじける”XTC”、エネルギッシュな演奏
1曲目の”Respectable Street”:相変わらず、1曲目から飛ばしています。
後先考えていません。
ドラムとベースのリズム組が奮っています。
ベース・ギターが唸り声をあげながら、ドラムに絡んでいます。
“Andy Partridge”のボーカルもはじけています。
勢いだけでなく、前作のアルバム”Drums & Wires”に比べて、メロディー・ラインもしっかりしてきて楽曲の質も格段に向上していると思います。
比較的初期の段階で、これから続く黄金ポップの芽生えを感じ取ることができます。
2曲目の”Generals And Majors”:1曲目の興奮も覚めやらぬ間に、もう一人のボーカリスト”Colin Moulding”が負けじと応酬します。
前奏のギターの音からして、格好いいですね。
歌詞の間の口笛や、コーラスの掛け声もよいアクセントになっています。
ドラムもスネア・ドラムだけで、この音を作っているのかと驚きです。
勿論、曲がいいのは言うまでもありません。
キャッチーで勢いもあって王道のポップ・ソングです。
ミュージック・ビデオのメンバーの演奏風景もはじけています。若さを感じます。
3曲目の”Love At First Sight”:「噛めば噛むほど味がでる」ような曲が多い”XTC”の中で、「一目惚れ」しそうなキャッチーな曲です。
エッジの効いたギターが、曲全体の雰囲気を引き締めています。
7曲目の”Towers Of London”:「これぞ、ブリティッシュ・ロック」。
途中で、曲調が大きく変わるのも”XTC”の持ち味です。
ときおり聞こえるパーカッションの甲高い金属音がいいスパイスとなっていますね。
“Andy Partridge”堂々の歌いっぷりです。清々しいです。
10曲目の”Sgt Rock”:タイトなリズムに若々しい”XTC”の躍動する姿が目に浮かびます。
ライブで演奏するのにふさわしいエネルギッシュな曲です。
アルバム”Black Sea”は、ライブでの演奏が最も映えるアルバムではないでしょうか。
その後の、アルバムは、スタジオでじっくり作りこんだ曲が多くなってきます。
さながら、”The Beatles”が、”Revolver”で見せた音づくりに通じるものがあります。
開花時期の長いロック・バンド
若さ全開!はじけまくっている”Black Sea”での”XTC”。
前作の”Drums & Wires”で芽生え始めたポップ・センスが、一気に花開いた感じですが、桜の花のように一気に散ってしまうようなことはありません。
次作のアルバム”English Settlement”で、開いた花は、いろいろな色に彩られ、その姿も成熟度を深めています。
ますます、魅力的になっていく”XTC”に、今後も目を離せないでしょう。
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